「勝手にしろ」との逆ギレは、あなたを攻めているのではない

大竹:そういうものですか。
上田:勝手にしろと言われたら、奥様だってイライラするでしょう。だけど、奥さんが「分かりましたよ。勝手にするわ」と本当に自分で計画をし始めたら、ご主人は内心はありがたいと思っているはず。口に出しては言わないけど、本人が全部自分でやらなきゃいけないと思っているときに、うまくいかないから自分に当たり散らしていると奥様はとらえているかもしれないけど、ご主人はそういう奥様に感謝しているはずなんだな。
大竹:上田さんもそうでしたか。
上田:もちろん。ただ自分が仕切っていると思っているから(笑)。
大竹:何かこう、夫に「勝手にしろ」と逆ギレして言われると、すべて自分で仕切りたいのかなと思ってしまいますよね。自分の計画を邪魔されるのが嫌なのかなって。
上田:そう思わないようにしてください、奥様。逆にご主人の方は、もうちゃんとうちの家内はうまくやってくれているなと、心から感謝していますから。口に出して言わないだけで、自分がやろうと言って計画を組んだのに上手くいかなかったときに、それを奥様がぽっとカバーしてくれるというのは、本当にありがたいものなんですよ。
大竹:この旦那さんも、突然、旅行に行くことを決めたりするのは、どこか……
上田:家族のために何かしなきゃいけないと思っているわけ。
大竹:帰りが遅くて申し訳ないと思っているから、何かこうやらなきゃ、やってあげたいという思いで、「よし、行こう」と強引に行動してしまうと。
上田:自分はやってあげているつもりなのよ。
大竹:ある意味、まだ救いがあるということでしょうか。家族を全く振り返らないというわけではないですから。
上田:そう思うね。全然ほったらかしじゃないわけよ。やっぱり自分は仕事が忙しい。それは奥さんにも理解してほしい。夜も遅い。だけど一方で、やっぱり奥さん、子供にちゃんとやることはしなきゃいけないという気持ちがある。
ところが、何でも自分で計画を組んでやるというタイプだから、それがうまくいかない、何か障害があるとイライラする。しまいに奥さんに何か言われると、「勝手にしろ」と逆ギレする。
だけど、なにかやりたいという気持ちは持っているので、「勝手にしろ」というのは怒っているんじゃなくて、この計画をうまくやれないことにイライラして、自分に対して言っている言葉なんだ。これ、奥さんに対して言っているんじゃないの。自分に対してなの。
大竹:なるほど。
上田:奥さんがそれをカバーしてくれると、本当はものすごくありがたいのよ。そういう男だと思ってください(笑)。
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