ユニー・ファミリーマートHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、社長とパワハラ体質の女性上司の不倫を目撃したという35歳男性の悩み。パワハラで苦しむ同僚のためにも、パワハラホットラインに報告すべきなのかどうか。上田さんは、今すぐ報告しろと断言。その理由は?

悩み: 「女性の上司が、社内で社長と不倫をしています。しかも、ダブル不倫です。もともとパワハラ体質だったその上司は、社長と付き合っていて気が大きくなっているのか、今まで以上に部下への対応がひどくなっています。パワハラホットラインに、不倫の証拠も含めて告発すべきでしょうか」

 ある大手企業の子会社で働いています。先日の夜、都内の某レストランで彼女と食事をしていると、奥の席で私の上司である女性課長と社長が、楽しそうに2人で食事をしていました。時折、テーブルの上でお互いの手を握り合っているようにも見えました。これまで、社内では噂があったのですが、不倫かもしれません。だとしたら、お互い家庭を持つダブル不倫です。

 本来であれば、上司が不倫しようが、それが社長とのダブル不倫だろうが、私には関係のないことです。恋愛は個人の自由ですから。しかし、許せないのが、その上司がパワハラ体質なことです。自分の思い通りにならないと、それがたとえ部下のミスではなかったとしても、ヒステリックに怒鳴りつけます。その怒り方には、人格を否定するような言い回しも多く、元部下の中には、うつ病のようになって会社に来なくなった人もいます。

 最近、さらに傍若無人に振る舞うようになっているなと思っていたのですが、きっと、社長といい関係になっていることで、気が大きくなっているのかもしれません。幸いにも、私自身は、パワハラ被害にはあまり遭っていませんが、辛そうな同僚を見ていられません。そんな上司と付き合っている社長にも腹が立ちますし、こうした状況を放置している会社もどうかと思います。、するばかりか、これを機に、パワハラホットラインに駆け込むべきでしょうか。ちなみに、席が遠かったので映りはあまりよくありませんが、レストランではスマホで不倫の証拠写真は押さえています。

(35歳 男性 会社員)

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。(写真:的野弘路)

上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):これはよくある話だね。

大竹剛(日経ビジネス 編集):よくありますか。社長が部下の女性社員と不倫をするというのは。

上田:こんなの、リアルにいっぱいあるでしょう。

大竹:ただ、今回の相談は、単なる不倫ではありません。問題の女性上司は、もともとパワハラ体質で、それが社長と不倫をしていることで、さらには拍車がかかっているようだと。社長と「いい関係」にあるというのを、後ろ盾を得たと勘違いしているのか、余計に部下への対応がひどくなっていると言います。

 相談を寄せてくださったのは、35歳の男性です。彼自身は、あまりパワハラ被害は受けていないようですが、見るに見かねて、ということなのでしょう。彼がつかんだ証拠を持って、パワハラホットラインに駆け込むべきか、悩んでいます。

上田:僕から見れば、今の世の中、普通の会社はコンプライアンス委員会やリスクマネジメント委員会などを作って、何事にも公明正大になろうとしていますよね。こうした環境から見れば、今回の相談は明らかに、倫理的にもコンプライアンス的にも、リスクマネジメント的にも、完全にアウト。

大竹:すべてに抵触している。

上田:ええ。だから、この方は今すぐ、ホットラインに言うべきでしょう。そもそも、ホットラインというのは何のために作っているのかといえば、この会社がコンプライアンスを重視しているからですよ。ホットラインまで作っているくらいだから、コンプライアンスや倫理の基準や方針というものを、この会社はしっかり作っていると思うんです。ところが、それを社長自らが破っている。基準は作ったが、正しく運用されてないし守られてない。これは、ホットラインに言うべきでしょう。