ユニー・ファミマHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は管理職一歩手前で「降格」された女性から。家庭の事情で会社の期待に応えられないと悩んでいます。上田さんは「むりに管理職を目指さなくてもいい」と「割り切る」選択肢を示します。

悩み:10年前に本社が移転し、1人だけ今の部署に取り残されています。地域限定採用で家庭の事情もあり転勤せず残ったのですが、リーダーから降格され、上司や同僚からは職階に見合った仕事をしていないと見られています。どうしたらいいでしょうか。

私は、入社26年の管理職一歩手前の職階の女性です。10年程度前に本社が移転しましたが、家庭の事情があり、また地域限定採用ということもあり転勤していません。事務所に同じ部署の人はおらず、2年前にリーダーから降格しました。

別の会社に勤務している夫が単身赴任になり、4年前から宿泊出張ができなくなっています。子供は上が中3、下が小5です。宿泊出張できないことで、ほかの事務所にいる同僚から「職階に見合った仕事をしていない」と言われています。

上司に「部内情報収集の努力はしているが、一人だけ違う場所で仕事を続けるのは不要なエネルギーを使っていると感じる。業務効率化のためにも、事務所に同じ部署の人がいる事業部に異動したい」と希望していますが、取り合ってくれません。

今から思えばリーダーだったときに、この上司からモラハラ(会議で一人だけ大声で叱責される。会議で大きな溜息。一人だけ予算案を細かく指摘される)を受けていました。このままの職場環境を我慢すべきか、退職してパートで働くか迷っています。客観的なご意見を伺いたく、よろしくお願いします。

(48歳 女性 会社員)

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。(写真:的野弘路)

大竹剛(日経ビジネス 編集):今回は管理職一歩手前という女性からです。

上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):まず、事務所に同じ部署の人がいないということは、この方が言うようにリーダーの仕事はここにはないよね。リーダーから降格というより、むしろ本社が移転したときに転勤せず、今はそこの部署にいるのは彼女一人だけで部下もいないというのだから、リーダーの役割そのものが必要なくなった。だから、リーダーではなくなるのはやむなしだと思うんだけど、違うかな?

大竹:上司から“モラハラ”を受けているとも。

上田:一人だけ残っているということだから、この上司とは移転した本社の上司なんだろうね。

本連載で反響の大きかった35の相談が1冊の本になりました!

 本来であれば、彼女も本社に同時に異動して、その該当部署で仕事すべきところを、地域限定採用だったということで1人ここに残ったということでしょう。そうすると、その残った部署において、情報収集に努めるのが仕事となり、それを本社の自分が所属する部署に流すことになった。

 それで、宿泊出張ができないから、ほかの事務所にいる同僚から職階に見合った仕事をしていないと言われている。

大竹:そうですね。リーダーではなくなることも含めて、そのような立場になってしまうことはある程度、仕方がないことなのでしょうか。

上田:この方が“モラハラ”と言っている上司の態度がどの程度のものなのか、今回の内容からはよくわからないけれども、部下がいないのだから、リーダーではなくなってしまうのは仕方がないと思う。そこは自分で納得しないといけないね。

大竹:なかなか、現実は厳しいですね。宿泊出張のことについて言及されていますが、彼女の仕事では宿泊出張が結構、大きなウェイトを占めるのかもしれません。