社員に「死ね」と言ってしまった

大竹:「あいつは何だ」みたいな感情を抱くのは、危ない。

上田:危ない。最近、特に問題視されているパワハラは、だいたいそんなところから起きてくるものなんだよ。

大竹:上田さんは、これまで失言のようなものはありましたか。

上田:ありますよ、もちろん。

 社長になってすぐくらいの方針発表だったかな。大勢の社員を集めた中で、ファミリーマートを変えていくために、「みんな!死ぬ気でやってくれ」と言おうと思ったところ、間違えて「みんな!死んでくれ」と言ってしまった(笑)。

大竹:作り話じゃないですよね。

上田:もちろん、本当の話。

 でも、逆に社員に受けたね(笑)。

大竹:この社長、何を言い出すんだと。

上田:だけど、こうも言ったんだよ。この大変な時期を乗り切ったら、ハワイ旅行でも何でもだーっと休めと。

大竹:実際に休めたんですか。

上田:会社全体で休むというのは無理だけど、営業所単位では結構やっていたみたいだよ。
まあ、中には疲れちゃって、休んでも外にも出ないでただ寝ているだけという人もいたでしょうが。

大竹:話を戻しましょう。先ほど、個人的な感情の問題にしてしまってはいけないと言っていましたが、相談者の部下の女性の場合、非常に優秀で仕事はしっかりしているようですよね。その上で、残業しないことに納得がいかないと。この方も、個人的な不満がどんどん溜まってきてしまっているようです。危ない兆候ですか。

上田:このまま不満を抱え込んじゃったら危ないな。ここでも、(残業しない部下を)許している上司に違和感を感じています、なんて書いているしね。大切なのは、自分でそうした違和感を抱え込まずに、彼女の上司である部長に話して、もう一度、きっちりと全員に言ってもらわないかんのよ。

 自分も、主任として現場を任されているわけですから、その責任をきっちり全うするためには、やっぱりマネジメントクラスからちゃんと、今の仕事の大切さをしっかりと話してもらわないと。主任がワアワア言っても、何も始まらない。そうするとかえって感情的になって、現場のチームワークが乱れていくよ。だから、やっぱり上から言ってもらわないといかん。

大竹:「彼女をどう扱えばいいのか、とても悩んでいます」とも言っています。

上田:まずは、マネジメント層からもう一度、今の仕事の大切さを改めて言ってもらう。次に、彼女との個別面談で、「部長からも話があったように、この期間はどうしてもみんな頑張れるところまで協力して乗り切らないといけない。あなたは仕事ができる。それは私も評価している。だからこそ、あなたには今ここで、少しだけ時間を延長してでも協力してほしい」と話してみる。

大竹:それでも残業したくないということであれば、もうそれは諦めて、そういう働き方を受け入れるしかない。

上田:それしかない。ズルズルと個人的に悩んで、彼女に対する不満を溜めてしまったら、それこそ、チームワークが崩れてしまうよ。いろいろな働き方の多様性を認めるしかない。他の社員からは、「何で彼女だけ早く帰るんだ」という不満も出るかもしれないけれど、残業してでも頑張ってくれた部下には他の日にまとめて休んでもらうとか、最終的には会社に増員をお願いするとか、何か他の方策を考えなきゃいかん。彼女に残業させることだけを考えていては、先に進めないよ。

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