入社3年目では、まだ会社の全体像が分かっていない

上田:ありますよ。入社当初、僕は経理部門に配属されたんだけど、当時はまだ、貸借対照表だとか債権管理だとか、営業が上げてくる台帳は全て手書きでした。それを僕がコンピューターに入力するんです。

 若い人は知らないと思いますが、当時は「パンチカード」というのがあったんですよ。コンピューターに情報を入力するために、厚手の紙に小さな穴をいくつもあける機械で、間違えないように打たなきゃいけないわけ。

 ところが、業務フローの見直しということで、台帳を廃止することになった。商売が成約したら、営業自身がその場で台帳をパンチカードに入れるようにするというわけです。

 だけど、営業の現場は、これまで通り手書きの台帳の方が速いんだよね。慣れているから。だから業務フローの見直しを始めた当初は、ボールペンで台帳を書くことをいきなり廃止するわけにもいかず、台帳を手書きで書きつつ、パンチカードにも入力するという、2倍の業務が発生したわけ。

大竹:当然、現場は・・・・・・

上田:仕事が増えるだけだと、みんなブーブー言っていたよ。会社は現場のことを何も分かってないとね。

 だけど、2年もしてコンピューターを使うことが当たり前になってくると、誰も手書きで台帳なんて書かなくなった。営業は外回りから帰ってくると、直接、コンピューターに台帳を入力して、経理が自動的に処理をするといったことが、当たり前になりました。新しい業務フローがルーチンになると、前の仕事はいらなくなるんです。

 もしかしたら、この相談してくれている彼の職場も、こういうことが起こっているんじゃないかな。パソコンのシステムだって、ちょっとアップデートされるたびに、たくさん、文句が出るでしょう。前の方が良かっただの、なんだの。

 だいたい、業務フローの見直しなんていうのは、そういうものですよ。最初は倍の時間がかかるけれども、それがきっちりとルーチンになると、今までやっていた業務フローよりもずっと効率がよくなるものです。まずは、そう信じて業務フローの見直しに取り組んでみたらいかがですか。あまり考え込み過ぎては、せっかくの業務フローをより深く理解する機会を逃しますよ。

大竹:しかし、入社3年目にして会社と現場の意識の乖離に気がついたり、悩んだりするのは、なかなか鋭い視点の持ち主だと思いませんか。

上田:そうだよね。入社3年目としては、現場のルーチン業務をかなりきっちりとこなしている証でしょう。ただ、それでもまだ3年目ですよ。

 会社の運営実態や業務フローなどが、しっかり分かっているとは思えません。だから、もっと仕事をしっかりとこなし、全体を理解すれば、この会社の運営はどうしていくべきなのか、といった提言が的確にできるようになるはずです。

 だから、3年目に入ったこの1年は、現場業務を全部、自分で理解できるように取り組んでみてください。それがまず第一です。

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