大竹:指示されたゴールを目指すけれども、そのやり方については自分なりに工夫する、ということですか。

上田:そう。やり方について自分の考えを伝えながら、指示されたゴールを達成するんです。例えば、どんなサッカーチームだって、いろいろな指示が監督やコーチから飛んでくるでしょう。その時、「俺はあっちへ走りたいのに」とか言っておったんではチームは強くなれないでしょう。フォーメーションやポジションが決まっているのに、自分は指示通りに動くのが嫌だと主張されては、組織として動けないよね。

 ただ、その行動の仕方については、自分はこのように行動をしたらもっと結果が出せる、と言ったふうに、どんどん発言していったらいいと思うんです。

 今のような状況でほかの会社に転職したところで、何の解決にもなりません。こういったことはどの会社にも必ずありますよ。だから、転職を考える前に、まずは上司の指示通りにまずは動いて、それで結果をしっかり出してみてください。そして、そこから上司に指示された結果を出す上での、自分なりのより良い動き方を提案してみてください。

 会社というのは、社長の方針、本部長の方針があって、それに従ってそれぞれの部なり課なりチームなりが、どうやって成果を出すかを考えていくんです。それが、会社組織なんです。

「ジンギスカンの肉」の成功体験

大竹:ちなみに、上田さんは33歳ぐらいの時は、どんなふうに仕事をしていましたか。もう、上からの指示は絶対、といった世界だったんですか。

上田:そうだね。当時、例えば、「今年中にマーケットシェアを3%アップしろ」みたいな指示が上司から飛んできたっけ。北海道でシェアを3%アップしろと。

大竹:それは何の商材ですか。

上田:ジンギスカンの肉。北海道は一番大きなマーケットですよ。そこが、非常に我が社は弱いからなんとかせえ、というわけです。

 ジンギスカンの肉は、ほとんど輸入ですからね。北海道のマーケットでシェアを30%まで高めれば、ニュージーランドやオーストラリアから専用船を回せるようになると。すぐには無理でも、毎年3%ずつ上げていけば、3年以内に専用船を回せるようになるとね。やりましたよ、3年で。

大竹:さすがですね。その時の上田さんは、上からの指示通りに動いたんですか。

上田:それはもう、上司はいろいろなことを言いますよ。だけど、上司自身もどうやったらいいのかわからないんだよね。そもそも自分でやったことないんだから。

 だから、「分かりました!」といいながら、自分なりにどうやって目標を達成するかを考えるわけです。上司の指示通りは動かなきゃいけない。だけど、上司が言ったようなことで、毎年シェアを3%上げるのは無理だと思ったから、「わかりました。3%は達成します。そのために、これをやらせてください」とやり方を提案したんですよ。

大竹:どうやって提案したんですか。

上田:まず経費は今までの5倍かかります。月に3分の1は北海道に出張します。その過程においては、売上利益の増加率よりも経費の増加率が高くなります。だけど、シェアがアップしたら、その分の経費は必ず吸収できます、といった具合だったかな。

 それで3年で3%ずつシェアをアップさせとシェアは30%ぐらいになって、そうするともう1000トン級のジンギスカンの肉の専用船を出せますよ、と提案したんですよ。