ある大手企業の地方支店で管理部門の課長をしています。社内の組織改編などもあって、主軸の営業部門が東京に集中した関係上、営業マンが激減。契約書類や伝票の回付もそれに比例して大きく減りました。部下になんとか仕事を任せ、課長代理に権限委譲をして承認業務をさせても、まだ皆の手が空いてしまう状態です。
そんな中、当然私は全く仕事がなくなり、社内失業状態。セクショナリズムに入らないような各部署のお困りごとを拾っては、仕事を探している状態です。こんな仕事の仕方でいいのでしょうか。
49歳 女性(会社員)
大竹剛(日経ビジネス 編集):今回も女性からです。女性ファンが多いですね。

上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):そうですか。それはうれしいね。今回はどんなお悩みかな。
大竹:前回は、仕事と結婚・出産の両立に悩む39歳からの悩み(「子供ほしさに好きじゃない男と結婚してはダメだ」)でしたが、今回は、仕事が暇で仕方がないという、49歳の女性からです。大手企業の地方支店で課長をしているとのことで、この方も仕事をバリバリこなしてきた方なのでしょう。ただ、最近の組織再編で仕事の多くが東京に移ってしまい、社内失業状態だとか。
上田:部下まで暇になっちゃうというのは、よほど仕事がないんだね。
大竹:きっと、余裕がある会社なんですね。それでも、この方は仕事がないのはよくないと、自ら進んで周りの部署からおこぼれの仕事をもらってくるなんて、偉いですね。ただ、さすがにこれまでバリバリ働いてきただけに、そんな境遇が不安なのでしょう。こんな仕事の仕方をしていていいのか、悩んでいます。
上田:僕から見れば、うらやましいね。
大竹:うらやましい?
上田:女性で課長、しかも、バリバリ仕事をしたい。仕事が少ないのは嫌だというのなら、ぜひ、うちに来てほしい(笑)。
僕は逆に、この方を高く評価しますね。課長は部下にも同じ思いをさせたくないということで、権限委譲して仕事を任せていっている。だけど自分は何も仕事がなくなってしまう。自分より先に、部下のことを考える。素晴らしいじゃないですか。
それに、この会社は組織再編をしたからといって、すぐに人員削減ということであなたを解雇するなんていうことは、まずないでしょう。大企業なら、それはまずあり得ない。
じゃあ、そこであなたは何をするか。いい機会をいただいたと思って、もっともっと自己研修、自己研さんをされたらどうですか。いろいろな外部の研修機関に通ってみたり、あるいは別の資格を取る勉強をしてみたり。管理部門にいるということは、経理関係や法務関係のような仕事をしているのかな。それなら、その分野の専門知識をさらに高めるいい機会なのではないかな。会社が与えてくれた、自己研さんのためのご褒美の時間だと思いなさい。
自己研さんの結果、半年とか1年後とかに、こういう資格を取りましたとか、こういうような研修を修了しましたとか、会社にアピールしてはどうですか。成果が認められれば、ちょっと本社で活躍してくれとか、地域を動きたくなければもっと上のポジションで働いてくれとか、なるかもしれない。
いずれにしてもこの際、自己研さんを積んで自分の存在というものを会社にアピールしてみてはいかがですか。そのための貴重な時間をいただいたいと思った方がいいですね。
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