夜中まで働かなくてはならないというのは思い込みだ

大竹:そういうものですよね、組織で働いていると。

上田:それが“仕事WAY”なんだから、まずはきちっと割り切ってください。

 そのうえで、もう1つ。あなたは、家庭の時間を大切にしたいので定時に帰らなきゃいけない、と悩んでいますが、あなたのやっている仕事は本当に残業をしなければできない仕事なのでしょうか? 夜遅くまでクライアントとお付き合いをしなければいけないんですか?

大竹:マスコミ業でプロデューサーと言っているので、映像関係か広告関係のお仕事をされているのかもしれません。

上田:マスコミだから夜遅くまで働かなければならないというのは、単なる思い込み、過去の慣習に縛られているだけなんじゃないの? プロデューサーの仕事というのは、いろいろあるかもしれませんが、本当に深夜までやらなければクライアントが付かないものなのでしょう。プロデューサーの仕事の価値とはなんでしょうか。 少なくとも夜遅くまでクライアントと付き合うことではないはずです。どんな仕事でも、いちばん大事なのは時間の長さではなく、仕事の中身、質ですよ。

大竹:そのとおりですね。時間じゃない。

上田:時間じゃありませんよ。夜中にどうしても急ぎの事案が発生したとしても、電話でもメールでも何ででも、今はどこにいたって連絡はつくわけで、考え過ぎてはいけません。夜、オフィスにいなければプロデューサー業ができないというようなことではないでしょう。それは考え過ぎで、自分で制約を作ってしまっているんですよ。

大竹:要するに、プロデューサーの働き方とはこういうものだと、産休に入る前の自分の働き方を前提に決め付けてしまっていると。

上田:そう。

大竹:そこから抜け出しなさいということですね。

上田:そうです。やっぱりクオリティーの高いもの、いいものであればクライアントは開拓できるわけですよ。それが深夜、夜中まで働かなくてはダメだというようなことは、あなたの考え過ぎです。中身の問題だと思う。

大竹:仕事のクオリティーと働く時間というのがごっちゃになってしまうのは、よく聞く話ですよね。しっかり自分の仕事をこなしている部下に対して、上司が「なんであいつは早く帰るんだ」といった不満を抱くというのは、以前の悩みにもありました。

上田:そうそう。長く働いているやつが偉いみたいな風潮が、多くの職場に未だにあるんだよ。

 あなたは、「行動を変えるべきか、気持ちを変えるべきか」と言っていますが、要するに両方変えてください。

 産休に入るまでは、コンビニ弁当を食べながら朝から夜中まで働いていたということですが、それは変えないとね。

 もちろん、コンビニ弁当は新鮮でおいしくて安全・安心、メニューも非常に豊富だから、私としては大いに食べてほしいんですが(笑)。