意見を通すには仕事で花を咲かせること

大竹:構造改革は基本的にトップダウンで進めるものだと思うのですが、社員がついて来ないと上手くいきませんよね。上田さんは当時、どうやって社員を巻き込んでいったのですか。

上田:そのとき僕にとって何が必要だったかというと、まさに相談してくれた彼のような、危機感を持っている社員なんだな。会社は万全じゃない、消えるかもしれない、そういう意識を持っている社員の声を引き上げようと考えた。相談してくれた彼は、危機感のない上司に不満を持っているようだけれども、会社が倒産しないで永続的に発展していくためには、あなたのような社員が必要なのよ。

大竹:まさに相談してくれているような、若くて危機感を持っている社員が必要だということですね。

上田:ええ。従って、あなたはそれで悩んだり、やる気を失ったりしてはいけません。必ず、そういう社員がいるということを、誰かが見ています。

 ただし、うちの会社はダメだ、これがダメだ、あれがダメだと批判しているだけでは、意見は聞き入れてもらえないな。まずは今、自分が与えられた場所、ポジションで花を開かせなければいけない。仕事できっちり花を開かせたうえで、提言をし続ける。批判をしているだけでは、会社にとっても、あなた自身にとっても、何も得るものがないよ。

大竹:単に意見を言うだけでは、何も変えることはできない。

上田:ええ。今与えられた場所で自分の花を咲かせろ。一方で提言もし続けろ。そうすれば、きっとあなたは、いずれこの会社の幹部になることでしょう。

大竹:そういうことですよね。まず仕事でも実績をつくらないと、誰も聞く耳を持たない。

上田:そうです。提案を精いっぱいすることは大事ですし、それは素晴らしいことではある。ただ、その一方で、組織の中で与えられた場で花を咲かせろと。それを同時に両方やらなきゃいけない。そうすると、あなたの意見も通るようになる。

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