上田:まだ新卒2年目、この4月からは3年目に入ったばかりでしょう。そのくらいの頃は、いろいろな案が出たら全部、それぞれによく見えるものだよ。逆に、それぞれダメにも見えることもある。自分の判断基準というものに、まだぴんと1つの線が出てないわけよ。

 だから、仕方がない。どれもよく見えるし、逆にどれも何か物足りなく見える。今はまさしく 、そういう時期であり、それを何遍か経験して、ようやく「これだ」と決められるようになるんです。今は、そうなれるように努力するときです。判断力を磨いていく時期なんですよ。

 あなたはものすごく恵まれているよ。優しく懇切丁寧に教えてくれる立派な上司もいるんだから。なかなかいないよ、そんな上司。だいたい忙しぶって、「お前の意見なんて期待していない。そんなことはどうでもいいんだ。これでやると決めたんだから」なんて言われるもんだよ。

自己嫌悪に陥りそうになったら感謝の気持ちを思い出す

上田:この上司は、「何でこの案だったのか」「何でこれをするのか」という彼女の疑問に対して、丁寧に説明してくれているんでしょう? それを教えてもらっているのに、何て自分はダメだったんだろうと、そう思ってしまっているんだよね。

 だけど、そう落ち込む必要はないんだよ。そういうことを何遍も、何遍も繰り返して、判断力を磨いていく時期なんだから。自分の思っていることをきちんと、「これだ!」という意見を決めていける訓練を今、これからしていくんだから。自己嫌悪に陥るなんてダメよ。前向きにとらえていかないと。

大竹:きっと、この方はとてもまじめなんです。

上田:うまく伝えられないのは、まだ経験が浅いからですよ。普段、仲間とはもう、楽しくうまくやっているんだから。

大竹:きっと、職場を明るくしているんでしょうね。だから、周りからも良い評価をもらっている。

上田:コミュニケーションはちゃんと取れている。だから話すことが苦手というわけじゃないわけ。ただ仕事上の判断、1つの線を何で出していくかということの経験がまだ浅い。今まさしく経験を積んでいく時期なので、自己嫌悪に陥る必要はまったくありません。それが常に嫌だ、嫌だとなると先に進まない。

 自己嫌悪じゃなくて、この上司に感謝するという気持ちを持って、上司の言葉をどんどん吸収する。疑問があれば、臆せずそれを聞いてみる。懐の深い上司は、それを受け止めてくれますよ。

大竹:個人差はいろいろでしょうけど、だいたいそういう判断の線というか軸ができてくる時期はいつ頃ですか。

上田:まあ、3年以上はかかるだろうね。5年くらいは必要かもしれない。

大竹:やはり後輩がある程度できて、自分にも先輩としての自覚ができてくる頃なんでしょうか。

上田:そうだね。それまでにたくさんの失敗からいろいろなことを学ぶんだよ。まあ、5年もたって自分なりの判断の線を見出せないようだと、逆に何やってるんだ、とさすがに懐の深い上司もイラッとするかもしれないけどね。

大竹:まだ、24歳。

上田:まだ若いから、何も心配したり自己嫌悪に陥ったりすることはないよ。しかも、素晴らしい上司がいるんだから。3年目に入ったことだし、これまで以上に、自分の思いやアイデアを上司にぶつけてみて下さい。それが、採用されることもあれば、されないこともある。それで良いんですよ。そういう経験を繰り返しすることで、自分の発想も磨かれるし、相手に思いを伝え、説得する技術だって養われていくんです。

 もう、自己嫌悪だとか、自分に腹を立てるとか、そういうことはやめましょう。自己嫌悪に陥りそうになったら、まず、上司への感謝の気持ちを思い出す。そうすれば、腹も立たなくなるよ。

読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

*この連載は毎週水曜日掲載です。

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。

この記事はシリーズ「お悩み相談~上田準二の“元気”のレシピ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
 日経ビジネスLIVEでは書籍発行に連動したウェビナーシリーズを開催します。第1回目は12月15日(木)19:00~20:00、「『安売りが外食苦境の根源だ』ファミレスをつくった男が激白」がテーマです。講師として登壇するのは1970年にファミリーレストラン「すかいらーく」1号店を開業した横川竟氏と、外食経営雑誌『フードビズ』の神山泉主幹です。書籍を執筆した記者の鷲尾龍一がモデレーターとなり、視聴者の皆様からの質問もお受けします。ぜひ、議論にご参加ください。

■日程:12月15日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「安売りが外食苦境の根源だ」ファミレスをつくった男が激白
■講師:横川竟氏(すかいらーく創業者、高倉町珈琲会長)、神山泉氏(外食経営雑誌『フードビズ』主幹)
■モデレーター:鷲尾龍一(日経ビジネス記者)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。有料会員以外は3300円(税込み)となります。
※第2回は詳細が決まり次第ご案内します。

>>詳細・申し込みはリンク先の記事をご覧ください。