同年代の彼は、ルックスも良くて、優しくて、結婚したいのですが、仕事ができる男なのか、心配です。大学を卒業してから転職を続け、もう3社目。しかも、「この会社は俺に合わない。俺の本当にやりたいことはこんなことじゃない」などと言って、また会社を辞めようとしています。将来のことを考えると、安定した仕事を持つ別の男性を探した方がいいでしょうか。それとも、彼の考え方を変えさせるように努力した方がいいのでしょうか。
28歳 女性(会社員)

大竹剛(日経ビジネス):最近の新入社員はすぐに会社を辞めるという話をよく聞きますよね。この28歳の女性の彼氏も既に3社目。しかも、また辞めようとしているとか。どこの会社でも通用するという自信があるんでしょう。次々と転職できる若さは、40男の私には、うらやましくも感じますが。
上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス取締役相談役):最初から答えを言っちゃいますよ。こんな男はやめた方がいいです。結構な間お付き合いして、それなりに恋愛感覚の楽しい時を過ごしたのでしょうけれども、こういう男とは結婚してはいけませんよ。
大竹:今回は結論が早いですね。もうこれ以上深入りするなというわけですか。
上田:ええ。僕がこれだった。まったくこの彼氏と同じような男だったんですよ。
大竹:ルックスが良くて…
上田:そこじゃなくてだね。
大竹:「この会社は合わないから辞めてやる」と思っていた、と。
上田:そう。最初の3年間は。
大竹:毎回、上田さんの若かりし頃によく似た男性が登場しますね。本当ですか?
上田:ええ。まったくこの男ですよ。この彼女の悩み、当時の僕のことを言っているのかと思ったくらい。
大竹:せっかく秋田から出てきて入社した伊藤忠商事を辞めようと思っていたのですか。
上田:だって僕は、入社1年目はこんな会社は辞めよう、辞めようと思いながら仕事をしていたし、僕には合わないとずっと思っていた。周りには、1回目の悩みを聞いた時に話したように、仕事の要領は良いし女性とスマートに遊んでいる東京者ばかりだったから。
でも、待てよと思ったんです。こんなことで辞めたら、どこへ行ったって同じことを繰り返すと。そう思っていた頃、たまたま会社から大阪に転勤せいと言われて。会社がカネを払ってくれて、しかも、大阪の生活ができるわけで、その分くらいは会社にお返ししなきゃいけないでしょう。で、まず行ってみようと。それで2年目、3年目ぐらいに、今のかあちゃんにナンパされたわけですよ。
大竹:奥さんと出会ったのは、大阪だったんですね。
上田:うん。それで僕は彼女に、「あなたは僕と付き合っているけど、あなたが『伊藤忠の上田』と付き合っていると考えているのだとしたら、僕は早晩、『伊藤忠の上田』じゃなくなるよ」なんて言っていたわけ。
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