そんな感じでしばしば酒場で彼らと会うようになると、向こうの方から、「久しぶりだな、仕事が忙しかったのか」とか寄ってくるようになる。その時はあまり意識しなかったけれども、半年ぐらいしたら例の秘書が、「ミスター上田、あなたのイングリッシュカンバセーションは素晴らしくインプルーブした」と言うんだ。それまでは何かお願いしたって無視されてたけど、次第に僕の言うことも聞いてくれるようになって、「ミスター上田は黒人なまりの英語をしゃべるようになった」とほめてくれた(笑)。
大竹:どこで習ったんだという話になりますよね。
上田:僕の場合は、うつ状態から抜け出すきっかけは、お酒が好きで外に飲みに行ったことだったんだ。日常の生活の中でコミュニケーションを取っている中で、英語に不自由しなくなったですよね。だから何を言いたいかといったら、元気の炎が少しでも残っているときに、ちょっとだけでも発想を変えて別の行動を起こしてみると、元気の炎がまた燃えてくるかもしれないということなんです。
もちろん、落ち込んでいる状態から抜け出すのは、ときには大変でしょう。そんなきっかけは簡単に見つかりません、という意見もあるでしょう。そんなときのために、とっておきの私の得意技を教えておきます。
大竹:何ですかそれは。
上田:「元気、勇気、夢」と、朝歯を磨くときに、夜寝るときに、3回念仏のごとく、唱えるんです。昨日までの嫌なことをリセットする気持ちで、心を無にしてとにかく唱える。1日ぐらいでは、気持ちは晴れませんよ。だけどそれを1週間、10日と続けていけば、何かここから脱出しなきゃいけないんだと、元気の明かりは必ずあるから探し出そうという気持ちが湧いてくるはずです。
住む場所を変えてもいい。今の置かれた環境から、少しでも何かを変えて、リセットする。それで、明かりを探してみましょう。
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