課長に指示された通りに仕事をしたら、その課長の上司である部長から「おまえはアホか、入社面接からやり直せ」と怒られました。悪いのは課長なのに、なんで私が怒られるのでしょうか。こんな理不尽な職場に耐えられません。
28歳 男性(会社員)

大竹(日経ビジネス):何やら、切羽詰まった感じが伝わってきます。最近は国を挙げて「働き方改革」が叫ばれていますが、まだまだ理不尽な職場は多いですね。
上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス取締役相談役):こういう理不尽なんて、簡単に耐えられますよ。
大竹:いやいや、かなり深刻な悩みだと思うのですが。
上田:僕は理不尽に慣れているもん、小さいときから。東北の冬の自然環境が理不尽だからね。
大竹:めちゃくちゃ雪が降るし、というわけですか。
上田:だから僕みたいな田舎者は、それは都会の人よりもずっと理不尽なことには慣れていますよね。これは自分で訓練してそうなったんじゃなくて、自然に肌身に染み込んだものがありますよ。
実は僕も入社当初は、この方と全く同じような境遇にあったんですよ。
大竹:伊藤忠商事に入社してすぐの頃ですね。
上田:うん。課長がおって、その下に課長代行がいて、僕は担当の1人というときに、部長が「おい、上田」といきなり呼ぶんです。すぐ隣には課長がいるんですよ。ぱっと売買取引書みたいなものを見せられて、為替のハンドリングで何をやらかしたんだと、怒っているわけですよ。牛肉は輸入商品ですから、当然為替の影響を受けますよね。しかし、横にいる課長は「僕は聞いてないよ」というような顔をして立ってる。何で僕が部長に怒られなきゃいけないんだ、課長に言ってくれやと思いますよね。
大竹:と思いますよね。
上田:ねえ。毎週、課会が開かれて、課長がこれからこうやるという指示を出すんですよ。で、その通りに僕らは動くわけです。しかし、部長会で課長が叱責を受けていると、突然、僕が呼ばれるんですよ。課長が対応できてないから、早くあんたが行かなきゃ会議が終わらないとね。それでしょうがないから行くでしょう。そうすると、部長が「上田ーっ」といきなり待っていたように怒り出す感じだよね。
大竹:知らない間に失敗が上田さんのせいになっていた?
上田:そうなのかよく分からないけれど、それが3年かそこら続いたんです。
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