ホウ・レン・ソウができなくても、やる気はある

大竹:「お前が大きな失敗をすれば、俺に迷惑がかかる」とはっきり言えということですか。

上田:傷つけるような言い方はダメよ。最近の若い人は繊細だから「失敗はしてもいい。仮に失敗をしてもその責任は私が取るから心配するな」ということは、前提としてしっかり伝えたうえでの話だよ。だけど、失敗するにも、失敗の仕方があるということだよ。

 1年目は仕事ができないということは容認してあげないと。だけど、それは「ホウ・レン・ソウ」をきっちりとするという前提だよ、ということだね。それが、組織の中、会社の中で働くということだから。

 後輩が「大丈夫です」「終わらせます」と言いたい気持ちになるのはよく分かる。早く一人前になったと評価されたいというのは、当然でしょう。むしろ、そういうやる気があるのは素晴らしいことで、その気持ちを否定してはダメ。

 そういう後輩にとっては、ホウ・レン・ソウは面倒かもしれないし、不安や懸念を打ち明けると「できないやつ」と思われると恐れているかもしれない。だけど、それは絶対言わなければいけないんだと、理由も含めて理解させるべきなんです。

大竹:理由も含めて、しっかりと。

上田:そう。この後輩は「そんなことできない」とか「そんなことを言われたって分からない」とか、反発しているのではなくて、「大丈夫です」と前向きに言っているわけだよね。やる気はある。だから、導き方次第なんだよね。

 ちょっと気になるのが、この方は、相談相手がいない、誰に相談していいか分からないと言っていること。中途採用がほとんどを占める会社だから、新卒の気持ちとか、2年目社員の気持ちとかを分かってくれないと思っているようだけど、それはちょっと違う。中途採用の社員だって、前職かどこかで新卒、新人だったことはあるはずでしょう。それに、組織には必ず上司がいる。誰にも相談できないというのは、社長が言う言葉だね。

 そもそも、中途採用かどうかで相談できる、できないと考えるのは、偏見だよ。中途採用の社員だって、同じ会社の人間なんだから。

後輩は、姉に逆らう妹、もしくは弟だ

大竹:中途入社だろうが、そうでなかろうが、先輩なら必ず相談に乗ってくれるもの。

上田:必ずいます。相談に乗ってくれる頼れる先輩が。

大竹:取りあえず聞いてみなさいと。

上田:それによって、自分の仕事ももっとやりやすくなると思うよ。この方は今、何歳?

大竹:25歳だそうです。

上田:今の25歳くらいの人は、悩みを抱えてしまうものなのかな。

大竹:結局、この方も先輩に相談をできないと思っているのは、1年目の後輩と同じように、抱えてしまう傾向にあるのかもしれませんね。

上田:先輩に弱みを見せたくないという気持ちが、この方も後輩も同じように強くて、腹を割って話せないのかもしれない。この後輩は男性なのか女性なのか、相談からは分からないけれども、いずれにしてもお互いライバル視しているのかな。

大竹:年齢が近いと、そうなってしまう人もいます。どうしたら、後輩に優しい気持ち、大きな気持ちで接することができるでしょうか。

上田:そうだな。後輩は、姉に逆らう妹、もしくは弟だという気持ちで付き合いなさい。