ユニー・ファミマHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は42歳の男性から。担当させられるプロジェクトは人員が足りず、期日も非現実的。失敗すると責任は自分にあると言われ、中間管理職として苦しい立場に追い込まれています。上田さんは、「本当に自分には非がないのか」と問いかけます。
現在42歳、電機メーカーの技術系中間管理職です。私の悩みは、担当するプロジェクトに対して全く裁量が与えられないことです。
あるプロジェクトのとりまとめを担当しているのですが、プロジェクトの内容に対して納期や人員構成、仕事の進め方を、私の上長があらかじめ取り決めた状態でプロジェクトを渡されます。私がその内容を確認すると、とても実現不可能な納期や人員(ひどい時は新入社員や配属されて間もない派遣社員のみの場合もある)でプロジェクトを完遂しろと言ってきます。
私も上長に食い下がって、納期の延長や、経験のあるメンバーを加えて欲しいと頼みますが、なしのつぶてです。そうは言っても、プロジェクトは進めないといけないのでその状態でがむしゃらに働くのですが、当然プロジェクトはうまく進まず、途中で頓挫してしまいます。
そこで初めて上長が対策(納期は延期できないのでメンバー増員)をとるのですが、その度に「お前は何をやっている」と責められます。プロジェクトの始めに進言しているのにも関わらず自分が責められ、最近は仕事の情熱を失い始めている状態です。やはり中間管理職はどのような状況でも、与えられた裁量で成果を出さなければならないのでしょうか?
(42歳 男性 会社員)

大竹剛(日経ビジネス 編集): 今回は42歳、男性会社員からです。これまでも、こうした悩みは何度か寄せられていますね。裁量が与えられず、にもかかわらず失敗した時の責任は押し付けられる・・・・・・。この方の場合は、例えばプロジェクトの人数が足りないと言っても聞き入れられず、結果的にできないと、「お前が悪い」と叱責される。そんな悩みです。中間管理職というのは、多かれ少なかれ、このようなものなのでしょうかと、半ばあきらめ気味。最近は仕事の情熱も失いかけているというから、まずい状況です。ここはひとつ、上田さんのアドバイスで、前向きな気持ちを取り戻していただきたいです。
上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):これはやっぱり、見方の問題だな。この男性と上長。それぞれ、プロジェクトに対する見方が違うんだよ。
おそらく、この上長も最初から、プロジェクトを失敗させるために、必要な人数を割り当てないなんてことは、していないはず。失敗したら、この上長が最終的に責任を取らされるわけだから。プロジェクトに携わるスタッフの人数や期間について、「これではできない」と分かっていて、そのようなことを言うはずないんだよ。できると思って陣容、プロジェクトの内容、これを決めているわけだよね。
ところが、現場でプロジェクトを担当させられたこの方は、この陣容でこの期間ではプロジェクトを成功させることは難しいと思っている。
大竹:そうですね。
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