企業に勤める数多くの部長クラスに聞いてみたところ、仕事の半分は会議に費やされているとのこと。つまり、月160時間のうち、80時間が会議。時給で試算すれば、月40万円が会議に向けて「出費」されています。ちょっとした3泊4日の海外旅行より多い金額ではないでしょうか。それだけ時間をかけた会議が、すべてグダグダ会議であれば、企業にとっても参加している本人にとっても非効率この上ない事態です。
実は、会議における悩みは、以下の3つに集約されます。
【会議の3大悩み】
その1:時間 とにかく、時間が長い。
その2:中身 何にも決まらない。
その3:進行 会議が活性化しない。
私がお会いする管理職の方に、「会議についてのお悩みはこの3つでしょう」と聞くと、皆一様に驚いてこう言います。
「どうして、分かったのですか」
それだけ、多くのビジネスパーソンが会議のムダについて悩んでいるのです。実は、そのムダはあることを考えるだけで、解決することができるのです。
会議の「行き先」を決める
あることとは、会議の「行き先」を決める。これだけです。
先ず、旅行と同じく会議における「制約」を考えてみましょう。それは、「制限時間」「参加者」です。制限時間が30分なのか1時間なのか。参加者が上司なのか部下なのか、事前の知識を持っているか、持っていないかなどが確認内容です。そうした後に「行き先」である「議題と落とし所」を会議前に考えます。
議題:論点なので、かならず疑問文にする
議題の多くが「??について」です。これだと「??について」に対する感想などのムダ話になりがちです。これを「??の何が問題なのか。(What)」、「なぜ??なのか。(Why)」、「どうしたら??できるのか。(How)」というように疑問文にします。こうすることで、会議の内容が、「問い」に対する「答え」を論じるようになるからです。
落とし所:A案かB案かを想定する
議長である場合、先の議題(論点)に対する自分の答え「A案」を持っておきます。A案以外に会議の流れであり得る「B案」も用意しておきます。こうすることで、会議が横道にそれた場合でも、議長がシナリオを持っているので、制限時間を横目に落とし所を探すことができます。
「行き先」を考えるだけ、たったそれだけで、会議の内容は密度高く、そして時間が半減できます。しかし、考えてみれば簡単です。時間があるバックパッカーの1人旅なら計画のない旅行もあるのでしょうが、忙しいビジネスパーソンの旅行時間は限られています。事前準備をしっかり行い、予定を立てれば効率性は向上し、事前計画なし旅程は時間を浪費するだけです。
会議にもそんな「当たり前の法則」を応用しただけなのです。しかし、当たり前の法則が応用されないと、時間と資金が無駄になります。
ぜひ明日の会議からでも試して、その効果を実感してみませんか。

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