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 会議は、ビジネスパーソンにおける「世代」のるつぼです。結論に向って、各世代の強みを生かした付き合い方が必要です。この連載では、「20代は質問」「30代は発言」「40代はファシリテーション」を磨くべきと紹介してきました。

 さて、50代は、どのように会議に付き合っていくべきでしょうか。

 一般に50代の立場は役員、本部長、部長クラスといった肩書を持ち、日本のバブル経済とその崩壊を経験しています。その強さは、少ない言葉で流れを変えられることにあるでしょう。特に年功序列が残る日本の企業社会においては、その傾向は顕著です。

 実は会議における課題の1つが、間違った論点に時間を費やしてしまうことにあります。「枝」の論点に時間を取られると、結論の出ない会議になってしまいます。ところが「幹」の論点をつかまえるのは、意外に難しいもの。枝葉末節の議論に逸れた時こそ「修正力」が必要になります。

 それには、経験量が必要なのです。50代の経験は、議論が錯綜する場面にこそ役立ちます。ご意見番として、少ない言葉で会議の流れを変えましょう。

縦と横の議論を意識する

 具体的には「縦の議論」「横の議論」の2つから、点検していきます。

 図あるのは、世界一のコンサルティング会社のマッキンゼーで徹底されているシンプルな思考フレームを基に、筆者の著書『一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?』(学研プラス)で紹介した概念です。

出所:CRMダイレクト株式会社

 空・雨・傘は、情報を分別し、論理的に組み立てましょうというものです。空は「事実」、雨は「解釈」、傘は「行動」です。黒い雲が広がってきたという「事実」を見て、雨が降りそうだと「解釈」し、傘を持ってでかけようと「行動」することです。

 これは、上から空→雨→傘の順で「だから」で流れますし、下から傘→雨→空の順で「なぜなら」で支えられます。「縦の議論」というのは、これらの論理整合性を見るというものです。よくありがちなのは、こんな点なので、「(上から)だから」と「(下から)なぜなら」で点検していくと論理構成の矛盾を見つけることができます。

 一方で「縦の議論(論理構成)」に問題がないように見えても、薄さが感じられたら「横の議論(深掘確認)」をしていきます。

 空(事実)は、客観的データが説得力を持ちます。文章より「数字」。単数証言より「複数証言」。素人意見より「専門家意見」が事実の信頼性を向上させます。特に数字は明確です。天気の例で言うと、目で見た黒い雲の事実に加え、たとえば天気予報の「降水確率50%」も付け加えると事実が盤石になります。