日経ビジネスベーシックについてはこちら




 どんな仕事に就いても、必ずあるのが「会議」。仕事の範囲が広がったり、責任が重くなったりすると、会議の数や時間も増えていきます。

 その一方で、政府は今、「働き方改革」の掛け声の下、企業に労働時間の短縮を求めています。時短のために真っ先に候補に挙がるのが、会議の短縮です。では、どんな方法があるか。ここでご紹介しましょう。

立ってサクッと会議するグーグル社員

 先日、米グーグルと取引がある企業幹部から面白い話を聞きました。彼がグーグルのシンガポール拠点を訪れた際、日本とは異なる「あること」に驚いたと言います。

 そのオフィスでは壁面全体が大きなホワイトボードになっており、社員がアイデアを書きながら打ち合わせをしています。訪問した企業幹部の会社でも、ホワイトボード会議を取り入れているので、そこには驚かなかった。彼がびっくりしたのは、TPO別の会議スタイルでした。

 TPOとは、Time(時間)、 Place(場所)、 Occasion(場合)の頭文字です。もともとは「服装は、時と場所と場合をわきまえよ」という意図で、ファッション業界が使っていた和製英語です。

 グーグルの会議では、具体的には、2つのパターンがありました。

Aパターン
椅子と低いテーブルがある会議室で開催。テレビモニターを通して、世界各国の社員が参加する。

Bパターン
背の高いテーブルだけを置いた会議スペースで開催。椅子はないため、出席者はテーブルを囲んで議論する。

 その企業幹部にとって、興味深かったのはBパターン。社内のあちこちで、数人が集まり、立ったまま打ち合わせをしています。短い時間で「サクッ」と終わらせ、解散していく。そんな様子に驚かされました。

 日本ではあまり見かけない光景なので、現地スタッフにこんな質問をしました。

 「なんで立ちながら会議するのですか?」

 すると、当たり前すぎる回答が返ってきました。

 「だって、立って会議すると疲れるでしょ。だから早く終わらせようと思って、皆が集中します。日本では、やってないのですか。」

 訪問した幹部のオフィスは、東京・新宿の高層ビルにあり、幾つもの会議室を有しています。彼は毎日、数時間を椅子に座った会議に縛られており、「そんな発想は、考えたこともありませんでした」と蚊の鳴くような声で答えたそうです。