◆悪い論点:災害対策本部の名称は、「大島対策本部」と「三原山対策本部」のどちらにするか。
◆良い論点:3時間以内に、1万3000人超の島民を避難させるための船は何隻必要になるか。また、どうやって手配すればよいか。

 このように論点を絞り込んでいたら、長時間の会議にならず、役人たちは島民を避難させるヒーローになっていたかもしれません。会議を有効活用するには、良い「論点」が重要なのです。

適切な論点を早い段階でつかまえている

 論点を見極める格好の材料は、政治家です。彼らの論点次第で、予算が大きく変化し、国民である我々に大きく関わってきます。

 私も都民の一人として、小池都知事の論点、つまり、今考えていることに注目しています。彼女は、機を見るに敏であり、適切な論点を早い段階でつかまえているように見えます。

 中でも際立ったのが、都知事着任後の2016年8月2日、同年11月7日に移転が決まっていた築地市場移転(豊洲市場移転) 問題に切り込み、論点化したことでした。

 なぜ見事かというと、「現状案:安全確認なしに予定通り11月7日に移転」と「あるべき案:安全確認した上で移転。できなければ11月7日を延期」を比較していたからです。

 結果として、2017年1月の地下水モニタリング結果を見て判断するとして、移転を延期したところまでは、あっぱれでした。しかし、この問題は2つの時限爆弾付きで、次第に取り扱いが難しくなってきます。

論点は注意深くピンで押さえ込む

 1つ目の爆弾は、水産業者の悲鳴です。移転を前提にしていた水産業者は豊洲と築地への二重設備コストがかかってきて、待ったなしです。

 2つ目の爆弾は、環状2号線です。環状2号線は2020年の東京五輪で選手村や競技会場と都心を結ぶことになる道路で、オリンピックを成功させるうえで重要な役割を担います。その環状2号線は、築地市場の跡地を通ることが計画されており、完成させるには2016年11月7日移転でもぎりぎりのタイミングであると言われています。

 そこで、本来考えるべき論点は、「豊洲での汚染が確認された今、いつどこへ移転するのか。築地のままでいるべきか」という喫緊の論点に立ち向かわなければなりません。

 ところが、現在の論点は、「誰が豊洲市場への移転を決定したのか」について、石原元知事を参考人として、論じられようとしています。

 私には、2つの爆弾を解決する「幹」の論点から、次第に犯人探しという「枝」の論点にズレているような気がしてなりません。

 論点は微妙にズレます。注意深くピンで押さえ込まないと流されてしまうことがあります。会議を上手に仕切るためにも、傍観者として論点の修正を具申するためにも、日々の生活やニュースから、「この論点は何か」を意識することが大切だと思います。すると、次第に切れの良い論点選びができるようになってきます。

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