例えば、「今おっしゃっていた○○について、もう少し具体的にお聞きしてもよろしいでしょうか」と質問をすれば、お客様が回答された内容に対して、さらに詳しい情報を引き出すことができます。
また「先ほど○○については○○とのことでしたが、理由をお聞きしてもよろしいでしょうか」のように質問をすることで、発言内容の背景となる情報を引き出すこともできるでしょう。
まずは積極的傾聴を土台として、さらに深掘りの4質問を組み合わせることで、この営業はしっかり顧客の話を聞く人だという印象となり信頼度が増します。またお客様からきちんと情報を引き出すことで、より大きな価値を提供するチャンスを得ることができます。
自分が患者だったらと考えてみよう
私たちが日常で「人から多くの質問をされる場面」として思い当たるのは、例えば、病院でお医者さんの診察を受ける時です。医師は、患者に対して適切な診察や治療を施すために、「いつから体調が悪いですか」とか「どのような症状がありますか」のように質問を繰り返すことで原因を探ろうとします。
この時、あたなた「すごくお腹が痛くて」と悲痛な表情で痛みを訴えたときに、「それはつらいですね」と共感してくれてから質問されるのと、すぐに「それはいつからですか」と矢継ぎ早に質問されるのとでは、患者としても受ける心象が変わってくるでしょう。
さて、冒頭のケースについて、改めて考えてみましょう。
もし読者の皆さんがA社の営業マンだったら、お客様へ質問する過程でどのようにコミュニケーションを取りますか?
もし私なら、「なるほど、御社にとって○○は優先度の高い要素なのですね。それは確かに大事ですね。他にも、これだけは外せないというキーワードがあれば、お聞きしてもよろしいですか」といったトーンで、相手の発言をキャッチしながら掘り下げ、適度に相槌を交えながら、相手が発言された文脈にそって質問をするでしょう。
自分の聞きたいことを探るのではなく、相手が話したいことを傾聴しましょう。

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