自分の提案が分かってもらえない
依頼主:「なかなか自分の提案が相手に通じないのです」
そういうことってありますよね。
依頼主:「私はよく、新規ビジネス創出のアイデア出しに呼ばれます。私としては、相手のことをかなり深く考え、相手が気づいていなさそうなところまで含めて、世の中の様々な分野の例をつなぎ合わせて最高の提案をしているつもりです。特に、世の中との差別化要素に注意を払っていない方が多いので、その点に気を配っています。しかし、提案やアイデアの差別化に自信があればあるほど、相手に伝わらないのです。」
なるほど、もしかしてよく、「話が飛んでない?」と言われることはありませんか?
依頼主:「はい。話が何段階も飛んでいるとはよく言われます。でも自分としては段階を踏んでいるというよりも、いろんな事がいっぺんに、有機的につながってアイデアを思いつくので“何段階に刻めばいいのか”全く見当がつかないのです」
なるほど、そういう時には何か「既存の発想法」を学んで、「そこで推奨されている順番」で自分が考えたアイデアや提案を、説明してみてはいかがですか?
依頼主:「私も、いくつかの発想法は知ってはいます。ただ、発想法を使うというよりは、提案相手の専門知識と私の専門知識の間に壁があり、私にとっては基礎知識と思っていたことが、相手には通じていないことが多いのが問題のような気がします」
あぁ、なるほど。それはよくあることです。小宮山宏・元東大総長が指摘している通り、現在“知識の細分化”が進んでいます。自分にとっての基礎知識が、相手にとっては全くそうではない。それはお互い様です。
例えば私は化学系出身なのですが、“律速段階”という言葉が別分野の人に全く通じなくて困りました。要は“ボトルネック”のことなのですけどね。

そこで私は、トリーズという方法をお薦めいたします。他の発想法もそれぞれの良さがありますが、このトリーズにはほかにない特徴が1つあります。それは、多くの発想法が“個人的な経験と着眼に基づいて提案されている”のに対して、このトリーズは“個人的な着眼から始まったが、長い時間かけて体系化された上に、膨大な特許群で検証された思考支援ツールが存在している”点です。
その結果、異分野同士を学ぶ「共通のボキャブラリー」が増え、話が通じやすくなり、アイデアをプレゼントとして贈れることが増えますよ。
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