役立たないのは、日本語のせい

 そうですね。正直なところ、世の中で述べられている「グーグルの成功要因についての分析」は、そのままでは役に立たないと考えています。しかし、役立たないのは、だれのせいでもなく、実は「日本語のせい」だと私は考えています。

<逆転の発想>は発明原理では<#13逆発想原理>で表せられ、この連載では<a href="/atcl/skillup/15/284075/120400012/">第13回</a>で紹介しています
<逆転の発想>は発明原理では<#13逆発想原理>で表せられ、この連載では第13回で紹介しています

 日本語においては、工夫を抽象化する言葉として広まっているのが<逆転の発想><組み合わせ><○○に特化>のほぼ3つしかないからです。

 試しに、この言葉を封印したうえで、身の回りで「画期的な新製品」「新サービス」における「工夫点・コツ」を自分で説明してみてください。

依頼主:「<逆転の発想で○○した><AとBを組み合わせた><○○の分野に特化した>という説明をなくすと、難しいですね。『ひらめいたから』というのでは変ですし、そうなると『○○という物質が・・・』とか『この角度が30度になっており・・・』という“具体的な説明”にいきなり入ってしまいます」

 そうなのです。これは日本人同士が単一民族・単一言語であり、また人と人の距離も近いことから、欧米よりも“問題解決のコツ”が“暗黙知のまま”で伝わりやすい土壌があるからです。その結果、欧米よりも“形式知にするためのボキャブラリーや文法”が発達していないのだと思います。しかし、現代は“知の爆発”とそれに伴う“知の細分化”が進行しており、先ほどの<逆転の発想><AとBの組み合わせ><○○に特化>といった、“工夫(=知)を一段抽象化(構造化)し、異分野の人にも伝えやすくするボキャブラリー”が必要になってきています。このボキャブラリーを日本全体で共通に増やす方法として、私が推奨しているのが<トリーズの発明原理>なのです。

 といっても、具体例を示した方が良いでしょう。これからまた<#2分離原理>を片手に、今一度「グーグルの成功ポイント」を分析してみましょう。

グーグルの成功:広告モデル×<#2分離原理>

 グーグルの成功要因として挙げられる“広告収入による成功”ですが、これを、「広告収入ビジネスにするとどんな問題解決がされるのか?」という視点で、<#2分離原理>を意識して考えてみてください。

依頼主:「と言われましても、具体的にはどのようにするとよいでしょう?」

 単に“広告型にする”という捉え方ではなく、“広告収入型にすると、●●と●●が<分離>されるので○○の問題が解決される”という視点で観察してみるのです。

依頼主:「なるほど、広告にすると<分離>されるもの・・・。広告でなければサービスを利用したユーザーから直接支払いを受けるのに対し、広告だとユーザーではなく広告主から支払ってもらいますね。とすると、“広告収入型にするとサービスを利用するユーザーと支払いが<分離>でき、ユーザーに課金請求しなければならないという問題が解決される”ですか?

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