依頼主:「世界で一番成功しているビジネス・・・、そういえば最近とうとう時価総額が世界一になったグーグルですかね」

 そうですよね。ちなみに今まではグ―グル社でしたが、昨年からは会社の組み換えがあり、Alphabet社のグーグルセグメントになったようです。「グーグルのような新規事業が新たに作れたら・・・」という願望を持ったことがある人は少なくないのではないでしょうか。

 まず改めてグーグルの「成功度合い」を数値で見てみましょう。

2015年の年間売上高:740億ドル≒約8兆円
営業利益(operating income):234億ドル≒約2.5兆円
参考サイトはこちら

依頼主:「なんと売上高は既に、最近話題になっているシャープ(2.7兆円)や東芝(6.7兆円)より大きいのですね。それでいて営業利益率30%超え。恐るべき利益率ですね!」

 しかも、グーグルのこの利益率、利益至上主義で作った数字ではありません。有名になった20%ルールを始めとした自由さに加え、東日本大震災の被災地支援では、いち早く“被災地を支援するWebサービス”を立ち上げたり、実際に現地入りもした上、現在も「イノベーション東北」活動を継続したりするなど、「社会貢献」に対しても非常に積極的かつ実際的な効果を上げている企業でもあります(参考:藤沢烈著「社会のために働く~未来の仕事とリーダーが生まれる現場」)。

 そんなグーグルの成功要因とは何だったのか? 考えたり、聞いたりしたことはありますか?

依頼主:「そうですね・・・、3つに絞ると、以下の要因がよく述べられている気がします」

(要因1)(学会)論文の引用の仕組みをヒントに得て、Webページ同士の引用関係をもとにWebページをランク付けするPageRankという仕組みを開発した
(要因2)上記のPageRankを膨大なWebページ数同士で比べられるよう、行列演算を工夫した
(要因3)検索結果に、広告を組み合わせた

その分析、役に立ちますか?

 そうですね、そうだと思います。しかしどうでしょう、上記の要因3つを聞いて、「自分の考えた新規ビジネスで収益を上げる」ために真似ることがすぐにできそうでしょうか?

依頼主:「うーん、確かに問題解決の仕組みとしてはなるほどと思います。しかし、(要因1)のPageRankの仕組みが分かったところで、検索結果の向上以外に何に役立てられるか、正直なところ、思いつきませんし、仮に思いついたとしても、“Webベース”である限り、グーグルが本腰を入れて参入してきたときに敵うとは思えません。(要因2)の行列演算については実は私には意味がさっぱり分かりません。

 そして最後の(要因3)“広告と組み合わせる”という工夫は先ほどおっしゃった通りで、別にグーグルを見なくても“まずは真似できる”ものな上、成功企業よりも失敗企業の方が多く、これで成功できるとも思えません」

次ページ 役立たないのは、日本語のせい