異種同士だけでなく、ほぼ同種のものを隣接・並列に組み合わせる、というのも<#5組み合わせ原理>になります。例えばモップや櫛、ピアノのような物です。「歯が2本だけの櫛」とか「1オクターブだけのピアノ」を考えてみると、それだけではあまり意味がなく、並列にする効果が分かると思います。

 また<#5組み合わせ原理>は物に限らず「作業」などの無形のものにも応用できます(コンピュータの並列計算など)。ゲームの世界でもアクション+RPG、カード育成+パズルなど異なるジャンル同士の「組み合わせ」によって、常に新しいジャンルが切り開かれてきました。

 このように、<#5組み合わせ原理>では「相補的なものを組み合わせる」と「同じものを並べる」の2つがポイントですが、その両者を兼ね備えた例(しかも特許!)が、東京大学の授業で取り上げられていたので最後に紹介します。

LEGOブロックのスタッド&チューブ構造

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 それは、2014年の機械設計学、小林卓哉さんの発表資料「ブロック玩具のスタッド&チューブ構造」で紹介されていました。私も「スタッド&チューブ構造」という名前はこのときに初めて知りました。左の図は米国特許3005282号として公開されている図面です。

 このスタッド&チューブ構造がない1950年代のレゴの裏側はスカスカ(参考写真はこちら)で、下に支えのない状態では積み上げることができませんでした。積み上げると底にある部分が重さに耐えられずつぶれてしまうのです。

 しかし、この裏側についたチューブ(円筒)が、表側のスタッド(凸部分)のうち外周と接していない側と<相補的に支えあう>ことで、Fig.4~6のように下のブロックとずらした位置でもレゴを積み上げられるようになりました。その結果、レゴをそれまでの組み合わせ以上に連結して並べることができるようになり、多くの独創的な形が作れるようになりました。

機械設計学(2014・東大)、小林卓哉氏「ブロック玩具のスタッド&チューブ構造」より
機械設計学(2014・東大)、小林卓哉氏「ブロック玩具のスタッド&チューブ構造」より

 このように、ある物事に対して、相互補完的な「相方をつくる」という「問題解決の勘所」は効果を生むことが多いです。