お悩み・その18

会議中に携帯電話の着信音が頻繁に鳴る

 問題解決の共通言語であるトリーズの発明原理を学ぶことで、自分の問題解決力を向上すると共に、自分のキャリア(=過去の問題解決経験)を活かしやすくする“キャリアのアンチエイジング”を目指すこの連載。今回は久々に新しい発明原理<#5組み合わせ原理>をご紹介します。まずはお悩みからまいりましょう。

総務担当:「最近、マナーモードにしない人が増えてきて困っています」

 どうしました?

総務担当:「弊社では、たびたび大勢の社員を集めての会合があります。そこで携帯電話はマナーモードの設定をお願いしているのですが、最近、守られなくなっているのです」

 よく聞く話ですし、程度問題もあるかと思いますが、何かきっかけでもあったのですか?

総務担当:「実は最近、営業部が大事な取引先からの注文を大量失注してしまったのです。その際の言い訳として“会合でマナーモードにしておいたら、戻し忘れてしまい、その後の大事なお客様からの連絡に気付きそびれた”という話をしたのです」

 うーむ。ありそうな話ですね。

総務担当:「その時以降、“大事な取引先がある営業部員はマナーモードにしなくてもいい”というような暗黙のルールができてしまいました。それで会同中に音が鳴るのが当たり前になってくると、今度は社内全体でもマナーモードにする人がどんどん少なくなってしまいました」

 どうやらここは<#5組み合わせ原理>の出番のようですね。この発明原理は、「何かと何かを組み合わせる」という非常に広い意味のあるものです。その中でも特に「今あるものと補い合うものを組み合わせる」という勘所があります。

総務担当:「相補的なもの・・・ですか?」

 といっても今回の解決策は至極簡単です。今まで、「会議開始時にマナーモードにすること」はお願いしていたと思いますが、「会議終了時にマナーモードへの協力の御礼」は述べていましたか?

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