
皆様こんにちは、マイティの高木です。身近なお悩み解決を通じて発明原理を学ぶことで「キャリアのアンチエイジング」を目指すこの連載。今回のお悩みはちょっと複雑なようですよ。
社員:「はぁ・・・『今こそソリューションビジネスへの脱皮を!』かぁ。もうこの手の目標が出されるのは何回目、いや何十回目だろうか」
お悩みのようですね。
社員:「はい。社長が言う通り、『製品販売型の今のままではだめだ』というのは分かります。年々価格が下がりますし、新製品を開発してもどんどん利幅が小さくなっています。だからといって『製品ではなくソリューションを売れ!』と言われても、いったいどこから手を付けたらよいのか、見当がつきません」
あぁ、その気持ち、よく分かります。どうでしょう、世の中には「○○ソリューションズ」という会社が多くありますが、そこなんかは参考にならないですか?
社員:「うーん、うちもそういう名がつくところに社内システムとかを外注していますけど、うちとは業種が違うところばかりだし、なんだか結局、要件定義を作ったりソフトウエアを組む人たちがやってきたりするだけで、よく分かりません。なんかその人たちも、最近仕事が減ってきて苦しいらしいです。いまだに馴染めないんですよ、サーズとかパーズとか・・・」
SaaS(Software as a Service)とかPaaS(Platform as a Service)のことですね。あれこそまさに“製品売りを脱皮した”好例ですね。
社員:「あ、あとAWSとかいうのが出てきて、自分は楽になったのですが、会社ではサーバー管理担当だった人が、仕事が来すぎて困っている人と、仕事がなくなって困っている人に2極化しているらしいです」

AWSは「Amazon Web Service」ですね。アマゾンが提供するクラウドサービスです。確かにAWSが登場することで、随分と世の中の“ソリューション会社”は、「“サーバーを提供する”という“ソリューション”」が陳腐化して困っていることでしょう。でも逆にこのように「場が変わった」ときこそチャンスでもあります。
社員:「確かにそうなんですが、いったいどこから手を付けたらよいのやら。弊社でも何度か改革の動きはあったのですけど、会社のあちこちが“製品を売る”ことが前提になっていて、障害が多すぎます。結局いつも中途半端に終わってしまい、元通りになってしまいます」
いかがでしょうか。このようなお悩み、多くの会社で起きていることではないかと思います。
私はある独自調査から、日本のほとんどの大企業が「ソリューションビジネスに移行していない」と断言できます(いやうちは移行している!という反論は歓迎です。参考にさせていただきます)。そしてこれに対して、これから何回かに分けて、発明原理<#2分離原理>を片手に、解決の道筋を提案していきたいと思います。
とはいえまずその前に、今回は社員だけではなく、社長側の言い分にも耳を傾けてみましょうか?
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