回覧する人は、回覧物を見たら、回覧物に添付されている2次元コードをスマホで読んで、メールをします。回覧物は、まだ「回覧済」のメールが送られてきていない人に回せばいいわけです。もちろん、送られてきたメールを集計すれば、回覧の有無がチェックできますね(2次元コードは、例えばこちらのサイトなどで容易に作成できます。作例はこちら)。

依頼主:「なるほど、これなら回覧物に触れなくても集計できるので楽そうです」

 ちなみに、同報メールの送信先に上司を含めてしまえば、あなたが集計しなくても回覧状況は上司が把握できるようになりますよ。

依頼主:「そうなったら理想的ですね」

接触がなければメンテ入らずで衛生的

 今回は、平成28年最初の回ということで、<#28メカニズム代替原理>を説明します。

 メカニズム代替原理とは、またの名を「機械的システム代替原理」とも呼びます。何かの機械的な機構を置き換えることで、問題を解決します。特に、電子的な手段に置き換えることで、接触が多かった機構を非接触な機構にする(ことで様々な摩耗を抑える)発明が多いです。

 オフィスの中でも様々な実例があります。例えば、前掲のように社員証が磁気カードから非接触型ICカードへの置き換え。磁気カードは、読み取りのために機械的な引っかかりがあるため、徐々に社員証(の磁気部分)が摩耗していきます。摩耗するのは読み取り側も同様で、ランニングコストがかかるでしょう。しかし、非接触ICカードであればそのような摩耗はなく、一度稼働させてしまえば、機械的な摩耗による故障が少なくなります。

 実はこの「触れていたものを、触れないようにすることで解決する」、ことが最も多く実感できるのが最新式のトイレです。

  • 便座が“触れなくても”自動的に上がる → 衛生的!
  • 赤外線センサーに手をかざせば、“触れなくても”○○が流せる → 衛生的!
  • 赤外線センサーに手をかざせば、“触れなくても”蛇口から水が出る → 衛生的!
  • ジェットタオルに手を入れれば“触れなくても”手から水が切れる → 衛生的!

ですね。

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