ネクストには、「Switch(スイッチ)」という新規事業の提案制度があります。
 新規事業の提案制度そのものは、それほど珍しいものではないでしょう。
 ただ、ネクストの場合の特徴は、まず、内定者も含めて、誰もがいつでも提案できること。そして提案が活発なことです。昨年度は、約600人の社員から、150件以上のアイデアが出ました。これは、なかなか多いほうではないかと思います。

なぜ新規事業の提案が多いのか

 これらの新規事業のアイデアは書類選考、面接、最終プレゼンテーションを経て審査され、年に2回、受賞案件を選出します。育児で短時間勤務をしている女性社員や新卒の新入社員が優秀賞を獲得するなど、役職や社歴に関係なく、多くの社員が果敢に挑戦し、実績を積める場として機能しています。

 新卒入社2年目で優秀賞を獲得した社員は翌年、そのアイデアを基に新規事業を立ち上げ、責任者になりました。それが、トランクルームの情報サイト「HOME'Sトランクルーム」です。

入社2年目の社員の提案から生まれた「<a href="https://www.homes.co.jp/trunkroom/" target="_blank">HOME'Sトランクルーム</a>」
入社2年目の社員の提案から生まれた「HOME'Sトランクルーム
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 本業に関係ない新規事業の提案に、社員がこれだけ積極的なのは、入社前のキャリアエントリーから、入社後のキャリアデザインまで、一貫して本人の意思を尊重し、内発的動機づけを強化しているからだと思います。

 内発的動機づけを促す仕組みは、ほかにもあります。

 例えば「クリエイターの日」。エンジニアやデザイナーなどのクリエイター職の社員に、通常業務を離れて、新しいことに自由に取り組める時間を与えます。
 希望するクリエイターは、個人またはチームで経営陣に対して特設プロジェクトの提案をします。それが承認されると業務時間の10%を使い、合宿形式で、新しい技術や手法の研究、開発を行います。

 ここからも新規事業が生まれることがあります。最近では、音楽ライブに同行する人を募るアプリ「ライブマッチ」の原型が、このクリエイターの日で開発されました。開発した入社3年目の社員は、新規事業提案制度のSwitchに応募して最優秀賞を獲得。賞金100万円を得て、子会社Lifull LiveMatch(東京・港)を設立し、社長に就任しています。

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