ここまで説明してきた、私たちの採用活動の背後にある考え方を整理すれば、こういうことです。

 内定を出すまでのプロセスで、何より重視するのは「ビジョンフィット」と「カルチャーフィット」です。つまり、会社の理念に共感し、組織文化に馴染めるかどうかです。
 この2つに加えて「ポテンシャル」と「スキルフィット」を考慮します。こちらは、これから伸びる潜在能力があるかどうかと、会社が求めるスキルを持っているかどうか。そして、ポテンシャルの後にスキル、という順番も重要です。
 ビジョンとカルチャーに合い、ポテンシャルのある人財なら、スキルが多少不足していても、入社後にいくらでもフォローできる。そういう考え方に、私たちは立っています。

 そして、内定を出した後は、合宿などで、経営理念をはじめとするビジョンを復習。次に、動画制作をはじめ、具体的な事業への理解を深める教育プログラムに移っていく。抽象度が高いレベルから始めて、徐々に具体性を増し、入社への準備を進めるというわけです。

メンターは「同じ職種の他部署」がいい

 内定後のフォローでは、内定者同士や社員とのコミュニケーションの機会を増やすことも意識しています。

 ベタではありますが、内定者同士が会って話したり、先輩社員や役員、そして社長の私と直接、接触したりする回数を増やす。そんな個人的な接触を通じて、会社への関わりを深めてもらう。これまでの経験から、こうしたフォローが、学生の内定辞退や新入社員の離職を減らし、モチベーションを高めるカギのひとつだと分かっているからです。

 入社後も、先輩社員との個人的なコミュニケーションの機会を多くつくるようにしています。

 例えば、「START」と名付けた、メンター制度。新卒採用でも中途採用でも、新入社員には、同じ職種で別の部署にいる先輩社員が、マンツーマンでメンターに付きます。同じ職種同士でないと通じない話がある一方、同じ部署の先輩では話しにくいこともあるでしょう。そこで、利害関係のない「他部署」で「同じ職種」という基準にしています。メンターには会食などに使うための予算を毎月数千円ほど支給し、定期的に新入社員と話してもらいます。