07年秋、「日本一働きたい会社プロジェクト」に参加する有志社員を募りました。その結果、約80人の社員が志願。実に全社員の約4分の1が手を挙げてくれました。自ら動いて会社を良くしようという意欲ある社員がこれほどの数だけいた。その事実が、私を力づけてくれました。

 プロジェクトが本格的にスタートしたのは、08年1月。80人の有志社員は早速、全社員にアンケートやヒアリングを実施し、社員が能動的に「働きたい」と感じるには何が必要かを探りました。

「会社の本気」を社員にどう伝えるか?

 全社員への調査というプロセスを経たことで、入社間もない人も含めた社員一人ひとりに「何としても『日本一働きたい会社』をつくる」という会社の「本気度」が伝わっていきました。そして、会社が最終的に目指しているのが「社員がキャリアビジョンを実現し、生き生き働くこと」と「経営理念の実現」の両立であることも、嘘偽りない本音として受け止めてもらえたように感じます。

 プロジェクトチームは調査結果を基に、「日本一働きたい会社」をつくるためのテーマを抽出しました。最初に浮上したテーマは、次の9つです。

  1. 異動
  2. 採用戦略
  3. 入社フォロー
  4. 人材ブランド
  5. ロールモデル
  6. OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)
  7. 教育・研修
  8. 明文化
  9. 評価制度

 それぞれについて、ワーキンググループを立ち上げ、議論を深めてもらいました。5月に中間発表を行い、7月には9つあったワーキンググループを次の4つに統合しました。

  1. キャリアエントリー
  2. キャリアデザイン
  3. キャリアディペロップメント
  4. 評価

 9月には、それぞれのワーキンググループが経営陣への提案を行いました。その後、役員会で採用の可否を決議。採用が決まった提案を順次、実行してきました。

 社員の提案を受けて、私たちが取り入れてきた人事制度の施策には、ネクスト独自のユニークなものも多くあります。次回以降、その具体的な内容を随時、紹介していきたいと思います。

 といっても、制度をつくり上げるプロセスを無視して、制度の中身を語ることには、あまり意味がないと私は思います。組織が成長を遂げる過程には必ず試練があります。そこで、自分にとって決して譲れない一線を守りながら、その試練とどう向き合い、克服するか。そこで問われるのは経営者の意思であり胆力ではないでしょうか。

(構成:小林佳代)

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