ライフサイクルに応じた人材配置がカギ

 とはいえ、企業の発展段階に応じて、その企業を牽引する中核となるメンバーに求められるモチベーションファクターは限られます。例えば、スタートアップフェーズには、牽引志向と調和志向の両方が求められます。その後の成長期には牽引志向がより強く必要とされ、その後到来する安定期には調和志向が、さらなる成長期には牽引志向の度合いが高まります。

 このように、企業のライフサイクルに応じて、核として求められるモチベーションファクターは変化していきます。それぞれの発展段階にマッチしたモチベーションファクターのメンバーを、臨機応変に配置できるかどうかがカギと言えましょう。そのためには、在籍している社員のモチベーションファクターを見極めるとともに、モチベーションファクターの組み合わせによるチーム編成を検討していくことが有効です。

 既にこの取り組みを開始している企業もあります。M&A(合併・買収)により再生を図るO社では、事業の飛躍的成長を一気に進めるフェーズでしたが、目標達成、自律裁量のモチベーションファクターを有する社員が著しく不足していることが分かり、新卒採用や、中途採用のプロセスで、候補者のモチベーションファクターの見極めを行い、これらの志向の強い社員を採用することに注力しています。

 外資系企業T社では、営業部長と営業部員の断絶が喫緊の課題でした。モチベーションファクターを見極めてみると、目標達成、地位権限のモチベーションファクターが極めて高い営業部長の下、安定保障、公私調和志向の強い営業部員が配属されている実態が明らかになり、チームの再編成に着手しています。

 演習参加者の取り組みを踏まえると、モチベーションファクターという言葉を使っていなくても、同様の考え方をもって組織構築したことのある企業や団体があることはよく分かります。しかし、そのほとんどは、場当たり的な対応や属人的な対応にとどまっていると言わざるを得ません。私は、モチベーションファクターに基づくマネジメントを浸透させることこそ、わが国の企業の発展、ビジネスの伸展を実現するカギであると確信しています。

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