目標達成志向が強い外資系IT

 目標達成のモチベーションファクターが最も強いのは外資系IT企業社員でした。成長著しい外資系IT企業が、目標達成志向の強い社員を採用し続けてきた結果でもあり、また、強めのパフォーマンスマネジメントをしてきた結果、目標達成志向の高い社員のみが、残ってきたことが理由でしょう。

 グローバルIT企業S社は、目標達成志向が最も高い社員の割合が30%にも上りました。目標達成志向が最も低い企業ではその割合は15%ですから、その倍のレベルだということです。S社は国をまたがる人事異動や、部門をまたがるプロモーションを積極的に行うことで、業績を上げ続けてきました。その成果が、目標達成志向の強さに表れています。

 このプログラムは、私が特定の企業や団体に出向いて実施する場合と、企業や団体からみると、対外的な場所で複数の企業や団体から参加者を募って実施する場合とがあります。後者を「対外セミナー参加者」と称していますが、対外セミナー参加者の目標達成志向には目を見張ります。

 目標達成志向は、進取の気質に富み、チャレンジ精神が豊かで、課題解決型のアプローチを好む方に強く出ます。「分解スキル・反復演習」という新しい能力開発プログラムを体得しよう、社内の課題解決のために持ち帰ろうというチャレンジ精神が豊富な方々が参加するからでしょう。とりわけ、日経ビジネス主催のリーダーシップ・セミナー参加者の目標達成志向は25%と、対外セミナー参加者の中でも群を抜いています。リーダーシップをさらに高めることを課題とした目標達成志向の高い方々だからだと思います。

 目標達成志向が、逆に最も低いのは、銀行員でした。続いて製造企業社員、官民統合企業社員の順になります。演習参加者のコメントを踏まえると、現状の基盤を守る、ビジネスを堅調に推移させる、取引先とのネットワークを堅持する、官民統合による組織の安定化を図るという意味の現在のビジネス上の課題認識が示されました。その結果、目標達成志向は低く出ていますが、他者協調志向が高く出ています。

自律裁量志向の強いコンサルタント

 自律裁量のモチベーションファクターは、コンサルタントが抜きん出て高い結果が出ています。サービス提供内容は、コンサルタント一人ひとりの資質・能力に依存しますし、プロジェクト運営自体にコンサルタントの裁量が大きいことが反映しているに違いありません。直行直帰、裁量労働、顧客のオフィスで自身の裁量で業務遂行することなどが影響しています。

 次に自律裁量志向が高い教員は、地位権限志向が最も低い傾向にあります。地位権限ではなく、自律裁量や他者協調を重んじていることが伺えます。銀行員は、自律裁量が一段低い結果となっています。ほとんどの既存業務について、詳細な手順がマニュアル化されている実態を表しています。

 地位権限志向がダントツに高いのは、外資系IT企業で、想像どおりの結果です。前出の外資系IT企業S社は、40代前半の生え抜き社長を抜擢するなど、年功に全く左右されない抜擢人事と職位に応じた処遇を徹底しています。S社の社員のうち、地位権限志向が最も高い社員は、実に31.7%にも上ります。