バナナシェイプで黄褐色が理想のうんち

 昔から健康な便の例として、よくバナナが挙げられる。「バナナのような流線を描く、美しいフォルムの黄褐色の便が出たときは、腸内環境がいいと考えられます」(福田さん)

 便がバナナシェイプになるのは、水分や食物繊維をほどよく含んでいるからだ。また、便が黄色っぽいのは、胆汁が正常に分泌され、その後、血液などが混ざらなかったことの証だ。また、腸内の滞留時間も適切だったことを表している。

 「“バナナシェイプで黄褐色”の便を指標とし、このタイプの便を維持できるように普段の食生活や生活習慣を続けていけば、腸内環境を健康に保つことができるはず」(福田さん)

 ちなみに、赤い便は痔か大腸がん、黒い便は便秘か大腸がん、緑の便は胆汁酸の酸化、水様状の便は細菌感染の疑いがあるので医師の診察を受けよう。また、これまで嗅いだことのないにおいがするときも要注意だ。

取材にご協力いただいたメタジェンの方々。左より主任研究員の村上さん、CEOの福田さん、技術顧問の井上さん。パソコン画面上の副社長CTOの山田さんはオンラインで参加してくれた。
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取材にご協力いただいたメタジェンの方々。左より主任研究員の村上さん、CEOの福田さん、技術顧問の井上さん。パソコン画面上の副社長CTOの山田さんはオンラインで参加してくれた。

 「前夜が飲み会で、お酒の飲み過ぎや揚げ物の食べ過ぎ、にんにくやたまねぎの食べ過ぎなどがあれば、便が強烈なにおいを放っていても不思議ではありません。しかし、食事に心当たりがないのに異臭がするときは、体調不良のアラームかもしれません」(福田さん)

福田真嗣(ふくだ しんじ)さん
メタジェン代表取締役社長CEO/慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授
福田真嗣(ふくだ しんじ)さん

1977年生まれ。明治大学大学院農学研究科博士課程修了。博士(農学)。学位取得後、理化学研究所研究員として勤務し、2012年より慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授。2011年にビフィズス菌による腸管出血性大腸菌O157:H7感染予防の分子機構を世界に先駆けて明らかにし、2013年には腸内細菌が産生する酪酸が制御性T細胞の分化を誘導して大腸炎を抑制することを発見、ともに「Nature」誌に報告。2015年、メタジェン(慶應義塾大学と東京工業大学のジョイントベンチャー)を設立。著書に『おなかの調子がよくなる本』(KKベストセラーズ)。

この記事は日経Gooday 2016年5月27日に掲載されたものであり、内容は掲載時点の情報です。

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