血栓は、ベバシズマブの副作用ですか。

中村 そう。それで、腕が飛行船みたいに膨れちゃったの。人間の腕って、よくまあこんなに膨れられるんだろうと、みんなが感心するくらい。いつパッチンと破裂するんだろうと思うほどでした。

 それで、東京に帰って翌日B病院に行ったら、即入院です。血栓を溶かす薬を5日間ぶっとおしで点滴して、それから飲み薬でやはり血栓を溶かすお薬を飲んで。

すごいですね。FOLFIRI療法はとてもきついといわれていて、それにベバシズマブをかぶせるのは、大変つらいことだと思います。それで演奏もされているっていうのは…尊敬します。

中村 私って、にぶいんです(笑)。

そんなことないですよ。感動しました。

FOLFIRI(フォルフィリ)療法とは、フルオロウラシル(商品名:5-FUなど)とホリナートカルシウム(ロイコボリン、ユーゼルほか)、イリノテカン塩酸塩水和物(カンプト、トポテシンなど)を同時併用する治療法。切除不能・進行再発大腸がんの標準治療の1つ。

中村紘子「ちょっと変だけど、がんになった自分を楽しんでいる」に続く(「日経Gooday」のサイトに移動します)

中村紘子(なかむら ひろこ)さん
ピアニスト

早くから天才少女として名高く、第28回音楽コンクールで第一位特賞を史上最年少で受賞、N響初の世界一周公演のソリストに抜擢され華やかにデビュー。日本のピアニストの代名詞として、国内外3800回を越える演奏会を通じて聴衆を魅了している。広く若手ピアニストの育成や紹介に努め、浜松国際ピアノコンクールの審査委員長として活躍した。日本芸術院賞・恩賜賞、紫綬褒章を受章。2014年のシーズンにはデビュー55周年を迎え、記念アルバムをリリースした。


聞き手:山岡鉄也
日経BP 広告局プロデューサー

2010年、肺がん(ステージIV)と診断される。入院や通院での治療の後、復職。2012年4月より国立がん研究センターの患者・市民パネルメンバー。自らの経験を生かして、がんと就労が両立できる社会を目指して、「がんと共に生きる」「がんと共に働く」をスローガンにその環境整備をライフワークにしている。


インタビューまとめ:梅方久仁子
フリーライター

医療、福祉、健康、ITなど幅広い分野で活躍中。著書に『ゆっくり走れば健康になる』(中経出版、2010年)『福祉・介護の資格と仕事 やりたい仕事がわかる本』(技術評論社、2013年)『医療・看護の資格と仕事 やりたい仕事がわかる本』(技術評論社、2014年)など。薬剤師、NR・サプリメントアドバイザー。


この記事は日経Gooday 2015年10月2日に掲載されたものであり、内容は掲載時点の情報です。

この記事はシリーズ「「一に健康、二に仕事」 from 日経Gooday」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。