板倉さん 最近は、「コーヒーがカラダにいい」というのはもはや周知の事実になっていて、現在は飲む量と病気の関係についてさかんに研究が進められています。多くの研究を見渡すと、どうやら1~2杯では足りないようで、3~4杯ぐらいが適当ではないかという意見が多いようです。

 私が医師になった1960年代は、医学会でも「ポリフェノールは人間の必須栄養素ではないから、あまり役に立つ成分ではない」というふうに考えられていました。しかし、それ以降、世界中で疫学調査が行われ、「コーヒーをある程度飲むと心筋梗塞を予防できる」「死亡率も低くなる」という事実が続々と発表されたため、その意識も大きく変わりました。

 欧米では心臓病が死因のトップであるため、動脈硬化を予防することは非常に重要な課題となっています。また、糖尿病や肥満については、日本を含む先進国だけでなく、アジアやアフリカなどの途上国でも深刻な事態となっています。特に中国とインドでは糖尿病が今後爆発的に増加すると予測されています。そんな中、コーヒーを飲む習慣は糖尿病予防にもつながるとして、世界的にも注目されています。この血糖値を下げる効果も、クロロゲン酸によるものと考えられています。

コーヒーには脂肪燃焼効果がある

クロロゲン酸にはさまざまな効果があるのですね。コーヒーには脂肪燃焼効果があるという話を聞きますが、これもクロロゲン酸によるものですか?

板倉さん ご指摘のように、コーヒーには脂肪燃焼効果があります。飲むと、脂肪の燃焼が促進されるわけです。そうした効果をうたった商品も登場しています。

 コーヒーの脂肪燃焼作用を詳しく見ると、クロロゲン酸の働きとカフェインの働きという2つの側面があります。両方とも脂肪を燃焼させる効果がある成分ですが、それぞれ働き方が異なります。