聞きたかったけど、聞けなかった…。知ってるようで、知らなかった…。日常的な生活シーンにある「カラダの反応・仕組み」に関する謎について、真面目にかつ楽しく解説する連載コラム。酒席のうんちくネタに使うもよし、子どもからの素朴な質問に備えるもよし。人生の極上の“からだ知恵録”をお届けしよう。

お腹がグーと鳴るのは体には良いことだ。(©art3d-123RF)

 シリアスな会議中に突然、お腹がグーッと鳴って、恥ずかしい思いをした…。昼食までまだ1時間もあるのに、お腹がグーグー鳴って困った…。そんな経験をした人も多いのではないだろうか。筆者も取材中に「今は鳴らないでほしい!」と密かに願ったことが何度もある。

 しかし、消化管の動きに詳しい埼玉大学大学院理工学研究科教授の坂井貴文さんは、こう言う。

 「お腹が鳴るのは、とてもいいことなんですよ」

お腹の音は胃腸の大掃除のサイン

 なぜ、いいのか。坂井さんは次のように説明する。

 「空腹になってお腹が鳴るのは、胃が強く収縮するからです。これは『空腹期収縮』と呼ばれるもので、この収縮が胃で起こると、それを受けて小腸の方でも次々に収縮が起こります。強く収縮することで、中にあるものを絞り出すように先へ先へと運んでいるわけです。そして、このような強い蠕動(ぜんどう)運動の結果、胃や小腸の中が空っぽになる。つまり、グーと鳴るとき、お腹の中では大掃除が行われているのです」(坂井さん)

 なるほど、お腹のグーは「ただいま、お掃除中!」のアナウンスのようなもの。次に入って来る食事を受け入れるべく、お腹の中をきれいにしているのだ。