聞きたかったけど、聞けなかった…。知ってるようで、知らなかった…。日常的な生活シーンにある「カラダの反応・仕組み」に関する謎について、真面目にかつ楽しく解説する連載コラム。酒席のうんちくネタに使うもよし、子どもからの素朴な質問に備えるもよし。人生の極上の“からだ知恵録”をお届けしよう。

子供のころ、毎年の身体検査で身長を測るのが楽しみだった人は多いと思う。年々伸びていく数字は、成長の証。少しずつ大人に近づいているような気がして、ドキドキしたのかもしれない。
それが思春期を過ぎて、あまり数字が変わらなくなると、身長への興味も消えてしまう。大人になってからは、体重なら気になるけれど、身長はどうせ変わらない、と思っている人が多いはずだ。
大人でも身長が1日で2センチ変わる!?
「いやいや、大人の体でも身長はかなり変化するのですよ」
こう話し始めたのは、千葉・柏リハビリテーション学院 学院長で、整形外科医の下出真法氏。えっ、まだ伸びるのですか?
「子供のように伸びるわけではありませんが、1日の中でかなり変化します。朝と夜で、2センチぐらい伸び縮みすることもありますよ」。
ほぉー、そんなに変わるのか。下出氏によると、身長が一番高いのは、朝起きた直後。日中の起きている間に徐々に縮み、就寝前には最も低くなるという。
「大相撲の新弟子検査で、背の低い入門希望者が測定の直前まで横になっている姿が、よくテレビニュースに流れます。あれは、理にかなったやり方。ずっと横になっていれは、背が伸びた状態を保てますから」
なるほど。日内変化がかなり大きいので、学校で行う身体測定は、誤差を減らすため午前中に行う決まりになっているそうだ。
でも、どうしてこんなに変化するのだろう?
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