まだまだ男盛りの中高年に容赦なく襲いかかる体の悩み。医者に相談する勇気も出ずに、1人でもんもんと悩む人も多いことだろう。そんな人に言えない男のお悩みの数々を著名な医師に尋ね、その原因と対処法をコミカルで分かりやすく解き明かす。楽しく学んで、若かりし日の輝いていた自分を取り戻そう。

 朝の通勤時、ターミナル駅のトイレは大混雑。若い頃は、オシッコに時間がかかる人が前にいるとイライラしたものだが、57歳になった今じゃ、逆に後ろで誰かに待たれると焦ってしまう。オシッコの出だしから終わるまで時間がかかるようになった。思えば、オシッコの出方に勢いがなくなった気もする。仕事や日常生活に支障を来すわけじゃないが、頭に浮かぶのは「もしかして…、膀胱(ぼうこう)の近くにある前立腺に異常があるのかも」という不安だ。どれぐらいの自覚症状になったら泌尿器科を受診したらいいのかを知りたい。
(イラスト:川崎タカオ)
(イラスト:川崎タカオ)

 小川のほとりに並び、「誰がいちばん遠くに届くか競争!」「ずるいよ、ボクは家でオシッコしてきちゃったもん」。男なら、子供時代に一度は経験したことのある遊び。あのときのような放物線を描き、勢いよく飛び出すオシッコはどこへ行ってしまったのだろう…。

オシッコのトラブルに心当たりは?

 男は50歳を過ぎる頃から、さまざまな「オシッコ問題」を抱えるようになる。症状は、尿の出が悪くなる「排尿症状」、尿を溜めることに問題のある「蓄尿症状」、排尿後に起こる「排尿後症状」に分けられるが、軽度のものを含めると、多くの中高年が思い当たるはずだ。

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