さらに、低地(海抜171m)と高地(3000m)におけるアルコール摂取前後の血液中の酸素濃度を比較した研究もある。これによると、高地では低地に比べて酸素濃度が低くなる。さらにアルコールの摂取後は低地、高地のいずれも酸素濃度が下がることが確認された。つまり、アルコールの摂取がカラダの低酸素状態をより助長していることを示している。

低地と高地におけるアルコール摂取前後の血液中の酸素濃度
高地では血液中の酸素濃度が低くなるが、アルコール摂取するとさらに酸素濃度が低くなるという傾向が確認された(Roeggla, G. et. al. Ann Intern Med 1995;122:925-927)
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機内は湿度20%! 猛烈に乾いている

 大越院長によると、機内で怖いのは低酸素状態だけではないという。

 「低酸素に加え、機内の乾燥による水分不足にも注意する必要がありますアルコールの利尿作用により水分不足が助長され、エコノミークラス症候群などの健康問題を引き起こす可能性が高まります」(大越院長)

フライト中の機内の湿度と温度の変化
成田-バンコク間のフライト中の機内の湿度と温度の変化。温度はエアコンにより24℃程度に保たれる。一方湿度は、機外から換気で取り入れている空気の湿気が低いために、離陸後30分程度で30%台になり、その後2時間くらいで20%程度になる
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 「飛行機内は極めて乾燥しています。フライト開始後30分も経つと機内の湿度は30%台に下がり、その後20%程度まで下がります。適度な湿度と言われる40~70%と比較すると半分以下です。乾燥している状態で、利尿作用があるアルコールを飲むと、血液中の水分が不足し、血液はドロドロ状態になり、血栓のリスクが高まるのです。それでなくとも機内は同じ姿勢で長時間座っていることで、血栓ができやすいと言われています」