日本人の3人に1人が脂肪肝!?

日本人成人の3人に1人が脂肪肝
日本人成人の3人に1人が脂肪肝
健診を受けた日本人の32%が脂肪肝だったという結果が出ている。グラフは検診センターに受診した日本人成人1578人(男性1208人、35~69歳)における脂肪肝の比率(Omagari K et al. J Clin Biochem Nutr;45,56-57,2009)
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 「今や日本人の3人に1人が脂肪肝に罹患していると言われています。健康診断を受けた日本人成人の32%が脂肪肝だったという報告もあります。さらに、BMI(ボディー・マス・インデックス)が25~28の軽い肥満の約58%が脂肪肝を保有していたという報告もあります」(浅部先生)

肥満度が高まるほど脂肪肝も増加する
肥満度が高まるほど脂肪肝も増加する
8000人以上を対象に、肥満度(BMI)による脂肪肝の罹患率の違いをみたデータ。肥満度が高まるほど脂肪肝が増加していることがわかる(Eguchi Y et al. J Gastrol; 47,586-595,2012)
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 欧米人と比較しても、日本人の脂肪肝の罹患率はかなり高いというデータもある。食事の欧米化によって、日本に蔓延し始めた脂肪肝。そもそも脂肪肝とはどういう状態を指すのだろうか?

 「脂肪肝とは肝臓(肝細胞)に脂肪(特に中性脂肪)が蓄積した状態のこと。わかりやすく言えば、“フォアグラ状態の肝臓”です。脂肪肝になるメカニズムは実にシンプルで、肝臓から出ていく、「使う脂肪」よりも、肝臓が取りこむ、「作る脂肪」が多いから。つまり、使われなかった脂肪が“貯金”として肝臓に蓄積することにより起こります」(浅部先生)

 お金の貯金ならありがたいが、“脂肪の貯金”は迷惑な限りだ。だが、実際に脂肪肝と診断された左党のほとんどが危機感を抱いてないからか、正直「放置しておいても大丈夫なのでは?」と安易に考えてしまいがちである。だがそれは大きな間違いのようだ。

 「脂肪肝を甘くみてはいけません。脂肪肝を放置して、生活習慣を改めないと、炎症を起こしたり、線維化(*1)が進んで肝臓が硬くなるなどして、果ては肝硬変、肝がんになる可能性があります。肝臓は再生力が高いため、進行はゆっくりです。そのため、あるとき気付いたら、悪化していたということも少なくありません」(浅部先生)

*1 慢性的な炎症が起こることで肝細胞が死滅・減少し、線維組織が増殖していくこと。肝臓全体が線維化すると肝硬変などになる。

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