ビジネスパーソンの多くが気にする「脂肪肝」。健康診断の結果で真っ先にそこを見ている人も少なくないだろう。「脂肪肝」というと、「カロリーの摂り過ぎによる肥満からの疾患」と思う人も多いだろうが、実はアルコールそのものが脂肪肝の原因になることもあるという。そこで今回は、お酒と脂肪肝の関係についてまとめた。

今や、日本人の3人に1人が脂肪肝に罹患していると言われる時代だ。「とりあえず今は大丈夫だから…」と放置している人も多いかもしれないが、脂肪肝を甘くみてはいけない(©pejo -123rf)
今や、日本人の3人に1人が脂肪肝に罹患していると言われる時代だ。「とりあえず今は大丈夫だから…」と放置している人も多いかもしれないが、脂肪肝を甘くみてはいけない(©pejo -123rf)
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 左党の多くが気にしている「脂肪肝」。会社の健康診断の後は、多くの人が肝臓のデータの数値を気にかけ、正常値内に入っていると、ホッと胸をなでおろすのではないだろうか。

脂肪肝の一因はアルコールそのもの

 脂肪肝というと「脂肪や糖の摂り過ぎによる肥満からの疾患」というイメージが強いように思う。「アルコールはエンプティ(空)カロリーだから太らない」という説が影響しているからか、アルコールはあまり関係ない、もしくは関係しているとしても影響は大したことはないのではないかと思いがちだが(筆者はずっとそう信じてきた)、実は多いに関係がある、つまり脂肪肝の一因はアルコールそのものにあるという。

 筆者の周辺の酒飲みを見渡すと、痩せ型よりもメタボの方のほうが遥かに多い。また見た目は痩せていても、中性脂肪の数値が高かったり、脂肪肝気味、もしくは脂肪肝と診断された方も少なくない。筆者自身も体重は平均体重なのだが、恥ずかしながら中性脂肪はやや高め。今のところメタボとは診断されていないが、「隠れ肥満」であることは間違いない。野菜中心のおつまみにするなど、食生活には十分に配慮しているつもりなのだが、何故「隠れ肥満」になってしまうのだろう? やっぱりお酒の影響が大きいのか。

 多くの左党の方と同様、筆者にとって「酒は命」。今後の人生もお酒とともに歩んでいきたいと切に願っている。だが、このままいくと、脂肪肝になってしまうのではないかと筆者は気が気ではない。そこでアルコールと脂肪肝の関係について、自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器科の浅部伸一先生にお話をうかがった。

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