歯磨き後のすすぎを二回まで

 歯磨きでは一つ気になることがある。「食事の後30分は歯磨きをしない方がよい」ということが最近話題となっている件だ。お酒を飲んだ後もすぐにはブラッシングしない方がよいのだろうか。

 「正確には、食事の後30分ではなく、酸性食品を取った後30分と言われています。欧米ではワインをよく飲む人に歯の表面のエナメル質が溶ける酸蝕症が多いことが報告されています」(山本教授)

 ワイン愛好家が酸蝕症にならないために何かアドバイスがありますか?

 「積極的に予防しようということでしたら、お酒を飲む前にフッ素入りの歯磨き剤を使って、歯磨きをすることです。フッ素は唾液からカルシウムの取り込みを促進し(再石灰化)、歯質を強くすることで、酸蝕症にかかるリスクを軽減させる効果があります。事前にフッ素で歯をコートしておけば、ワインなどの酸性飲料による影響を緩和できることが期待できます。お酒好きの方は『歯磨き剤のせいで、お酒の味が変わるから』と敬遠する方も少なくありません。そういう方はお酒を飲む1時間前くらいに磨いておけばいいのです」(山本教授)

 さらにフッ素の効果を倍増させるために、もう一つポイントがある。

 「歯磨き後のすすぎを“二回まで”にとどめることです。歯磨き剤の味がなくなるまですすいでしまうと、せっかく塗布されたフッ素が流れてしまいます。清涼感の強い歯磨き粉の場合、二回のすすぎだと頼りないかもしれませんが、習慣化すれば慣れていきます」(山本教授)

 実際に試すと、最初のうちは抵抗があるが、数日もすると徐々に気にならなくなってくる。酸蝕症が予防できることを考えれば、歯磨き剤のざらつきや、後味の悪さなど大したことではないだろう。飲む前の歯磨き習慣であれば、今夜から早速、実践できそうだ。

前歯(表側)は毛先を下に向ける
歯茎マッサージで歯周病を予防しよう。表側の前歯は、歯ブラシを歯と歯茎の境目に当て、歯の先端に向けて歯ブラシを動かす
奥歯(表側)は毛先を垂直に当てる
奥歯は、毛先を歯に対して垂直に当てて、小刻みに動かす。なお、裏側の歯は、歯と歯の間をブラシで軽くつつくようにブラッシングするとよい