“経験知”は好奇心とともに伸びる

 結晶性知能は年齢とともに伸びていくが、それは単なる知識や経験の足し算ではなく、ある時点で飛躍的に伸びるものだという。例えば、仕事でも新人の頃はひたすら知識と経験を増やしていくしかないが、ある程度それらが増えると、「あの情報とこの情報がつながる」とか、「そういうことだったのか!!」と目からウロコの体験が増えたりして、一個一個の知識が連動し始める。その結果、理解力が増したり、いいアイデアが生まれたり、判断力に磨きがかかったり、マネジメント能力が向上したりする。

 そして、そのような知識の連動に伴って脳内で起こるのが、ドーパミンという神経伝達物質の増加だ。「ドーパミンは達成感や快感をもたらす。言ってみれば、できるビジネスパーソンほど仕事がおもしろい、ということになる」(篠原教授)。

 これは脳細胞でも同じことが言える。年齢とともに脳細胞自体の数は減っていくが、頭を使えば使うほど、つまり結晶性知能が伸びれば伸びるほど、脳細胞の分枝が増えてネットワークが密になる。いわば、脳細胞同士が手をつなぎ、連動して動き出すのだ。しかも、このネットワークはドーパミンが増えるほど、つながりやすくなる。要するに、やる気や面白さを感じながら頭を使うと、効率よく頭が良くなるわけだ。

 脳細胞のネットワークを密にしておくことは、将来の認知症予防にも役立つ。「脳のどこかが障害されても、ネットワークが密に張り巡らされていると、それを補うようなバイパスルートもできやすい。これを“認知的予備能”と言う。大人になってからも頭が良くなるということは、この認知的予備能を高めることとイコールだと考えていい」と篠原教授は説明する。

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