みんなが毎日飲んでいる香り高いコーヒーは、体にいいことづくめだった! 以前は「カラダに悪い」と言われていたコーヒーが、最新の研究により「カラダにいい」ことが続々と明らかになっている。日経Goodayでは、最新の「コーヒーの健康効果」を専門家の方々に直撃して話を聞いた。今回は、前回に引き続き国立健康・栄養研究所所長の古野純典さんに、生活習慣病とコーヒーの関係について話を伺っていく。コーヒーは、肝機能や痛風に効果があるだけでなく、糖尿病にも効果があるという。

1980年代前半まではコーヒーはカラダに悪いと思われていたが、今では様々な研究によりカラダにいいことが明らかになっている。ミドルのビジネスパーソン必見なのが血糖値を下げる効果だ(©Georgii Dolgykh -123rf)

コーヒーには、肝機能に効果があり、さらに痛風の原因となる尿酸値も下げる、といいことばかりですね。しかし、昔はカラダに悪いという印象が強かったですよね。

古野さん そうですね。ご指摘のように、1980年代前半ぐらいまでは、今とは逆で、カラダに悪いと思われていました。だから、コーヒーの研究が盛んに行われたわけです。当時北欧では「コーヒーは心筋梗塞を引き起こしやすい」という研究も発表されていました。

 北欧には、挽いたコーヒー豆をボイルして(沸かして)、固形成分を沈殿させた上澄みを飲む「ボイルドコーヒー」を飲む習慣がありました。このような飲み方では、コーヒー豆に含まれる特殊な脂質成分を体内に取り込むことになります。実はこのコーヒーの脂質成分は、コレステロール値を高め、脂質異常をもたらす一因となるのです。だから、こういったネガティブな研究結果が出たわけです。

コレステロール値を高める脂質成分は除去

 ただ、安心してください。この脂質成分はフィルターを通すと除去されます。日本や米国ではコーヒーはフィルターを通して飲む方法が一般的なので、心配する必要はありません。

 当時はこのような理由から「コーヒーは体に良くない」という論調が優勢でした。しかし、私どもが実際に研究を始めてみると、飲酒による肝機能障害の保護効果がわかり、さらに痛風の原因となる尿酸値も下げることもわかってきた。実は、「コーヒーを飲んでも悪いことは何もないのではないか」と思ったわけです。「コーヒーの効果をもっと探りたい」と私の中での興味が高まっていったのです。