コーヒーを飲むと、心臓病のリスクが軽減
話が変わりますが、国立がん研究センターは昨年5月に、「コーヒーを飲むと、心臓病のリスクが軽減する」という研究報告を発表されましたね。ニュースなどで大きく取り上げられました。
笹月さん 緑茶やコーヒーなどについての研究結果に対する関心は一般に高いのですが、予想以上に大きくマスコミに取り上げられたので驚きました。
この調査も、国立がん研究センターのコホート研究に基づいて導き出されたものです。緑茶とコーヒーの摂取と、全死亡リスク、がん、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患などの死亡リスクとの関連を解析しました。
コーヒーについては、「1日3~4杯飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患の病気で死亡するリスクがそれぞれ4割程度減少する」といった結果が出ています。全死亡リスクについては、コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、24%低いという結果になりました。ただ、今回の取材のテーマであるがん死亡の危険度については、この調査では有意な関連性は見られませんでした。
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国立がん研究センターでは、数年前に新たなコホート調査を立ち上げた。1990年代当時に比べ国民のコーヒー摂取量は増えていることもあり、今後、新たな知見が報告される可能性は十分にあるだろう。
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国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究部部長

この記事は日経Gooday 2016年1月27日に掲載されたものであり、内容は掲載時点の情報です。
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