みんなが毎日飲んでいる香り高いコーヒーは、体にいいことづくめだった! 以前は「カラダに悪い」と言われていたコーヒーが、最新の研究により「カラダにいい」ことが続々と明らかになっている。日経Goodayでは、最新の「コーヒーの健康効果」を専門家の方々に直撃して話を聞いた。第2回となる今回は、わが国の大規模疫学調査によって明らかになってきた「コーヒーとがん」について。日本のがん研究の総本山ともいえる国立がん研究センターに最新事情を伺った。
「健康な状態で長生きしたい」と思いつつも、誰もが「いつかかかるのでは」と心配になるのが「がん」という病気。今や、日本人の2人に1人がかかるといわれる国民病だ。
若いうちは「自分には無縁」と思っていても、40代、50代になり、身近な人や有名人ががんにかかったという話を耳にすれば、「発症を防ぎたい」「予防できる方法があるなら知りたい」と思うようになる。コーヒーががんに効くなら、コーヒーを飲む機会を増やそうと思う人も少なくないはずだ。
前回の記事(「体に悪いコーヒー」が「飲むべきくすり」に!)でも触れたように、以前、コーヒーは「発がん性がある」と思われていた時期がある。しかし最近では、コーヒーは「がんに効果がある」という報道を耳にするようになった。最新の研究ではどう判断されているのか。効果があるとしたら、どの部位のがんなのか――。
先に結論をいうと、肝臓がんと子宮体がんの予防に効果が期待できる。国立がん研究センターによる調査・研究によると、肝臓がんを抑える効果は「ほぼ確実」、子宮体がんを抑える効果は「可能性あり」と判定されている。肝臓がんのような特定のがんについては、コーヒーを日々飲むことで発生リスクを抑えられる可能性があるわけだ。
今回は、「日本人にとってどのような生活習慣ががん予防につながるのか」をテーマに研究を行っている国立がん研究センター 予防研究部部長の笹月静さんに詳しく話を聞いた。
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日本人の生活習慣とがんの関係を20年以上にわたって調査
そもそもの話になりますが、国立がん研究センターでは、食事などの日々の生活習慣とがんとの関係について、どのように調査、研究しているのでしょうか。
笹月さん 国立がん研究センターでは、がんなどの病気と生活習慣との関連を長期間にわたって研究してきました。ここで用いられているのが「コホート研究」という手法です。国立がん研究センターでは、1990年から国内で開始、現在も追跡調査が続けられ、研究結果が日々蓄積されています。
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