割れた腹筋でプールサイドに立ちたい[堀義人氏]
第1回 11回連続でマスターズ水泳大会に参戦し、9回メダルを獲得
仕事においては、やはりカラダが資本。多忙な中でも最高のパフォーマンスを発揮し続けるには、日ごろからの健康管理が欠かせない。
今回は、グロービス経営大学院学長で、グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナーも務める堀義人さん(53歳)にご登場いただく。
国内屈指のMBA(経営学修士)スクールを経営する堀さん。数多くのリーダーと接してきた中で、組織を引っ張るリーダーには「健康力」が欠かせないと話す。そんな堀さん自身の健康マネジメント術とは。
会社からでも外出先からでも、隙間時間ができたらプールへ行くようにしています。
僕は週3回、日を3日と空けず、1回につき1000メートルは泳いでいます。実は今日も先ほどひと泳ぎしてきたところです(笑)。「忙しいのに、よく時間が取れますね」と言われますが、僕は隙あらばプールに行くようにしています。
常に水着とゴーグルを持ち歩く
思い立ったら、会社からでも外出先からでもすぐに行けるように、常に水着やゴーグルなどの「水泳セット」を持ち歩いているんですよ。それに公共のプールの場所と営業時間はチェック済み。今では千代田区のプールはどこか、渋谷区のプールはどこにあるかなどは大体頭の中に入っているほどです。
これが愛用の「水泳セット」
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そこまで準備しておき、スケジュール表とにらめっこして、時間の空いているところを見つけたら泳ぎに行く。とりわけ会社の近くの小学校は夜間に一般開放しているのでよく行きます。
週3回、1回最低1000メートルの水泳はもう10年以上続けている習慣なので、今では泳がないと何だか気持ちが悪い。だから、忙しい中でも何とかして水泳のための時間を捻出しようとするわけです。
三日坊主で終わらないコツは、分かりやすい目標
中学校、高校と水泳部で全国大会に出た経験もあるので、僕の中で水泳のプライオリティーはかなり高い。行く時間はいつと決めてはいません。夜の会食の前や、昼休みの合間など時間はバラバラ。スイミングクラブなどに入ることも考えたことがありますが、スケジュールが合わなくてやめました。今は一人で黙々と泳いでいます。
自分に無理を強いてストイックに水泳をやっているつもりはありません。あくまで楽しみながら泳いでいます。泳ぐことは楽しいし、水を切る感覚がとても好きなんですよ。それに何往復も泳ぐうちに雑念が消えて、仕事に関するアイデアが浮かぶこともあります。
ただ、継続するうえでは、具体的な目標を設定した方がいい。以前、健康管理のために泳いでいた時期がありましたが、健康管理を目的に運動しても、どうも達成感がない。水泳によって自分の健康状態が良くなったのかどうかをみる明確な数値などがないので、「特に体に問題があるわけじゃないし、そこまでやらなくてもいいか」と自分に甘くなってしまうんですね。
健康は目的ではなく“副産物”
そこで、中学時代から水泳には自信があった僕は年齢別の日本マスターズ水泳選手権大会に出場することにしました。でもさすがにブランクは大きく、成績はさんざん。参加してみて分かったのは、練習量が決定的に足りないということでした。
それから、マスターズの大会で8位以内の入賞者のみがもらえるメダルを取ることを目指すようにしました。その副産物として健康がついてくる。健康づくりのためという漫然とした目標だと長続きしませんが、これというゴールさえあれば頑張れる。
三日坊主で終わらないコツは、達成できたかどうかが分かりやすい目標を掲げることだと思います。ちなみに現在、11回連続で大会に参戦し、そのうち9回メダルを獲得しています。
グロービス・スイミングクラブのリレーメンバーと。
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チャリティーのトライアスロンにスイムで出場。
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安倍首相のような割れた腹筋を目指して…
今年からは水泳に加え、毎朝、腹筋100回をやることにしていて、ずっと続いています。きっかけは安倍晋三総理の腹筋が割れてきたという記事を読んだこと。真偽のほどは分かりませんが、腹筋が割れているなんてかっこいい、僕もまねしたいと思ったのです。
またEXILEのHIROさんが「腹筋を6つに割るには1日1万回腹筋をすればいい」とどこかに書いていた。そうか、それならまず100回ずつやってみようかなと始めて、今ではすっかり習慣になっています。
これも健康管理でなく「腹筋を割る」という明確な目標があるからだし、そのほうがかっこいいと思うからやっているだけ。腹筋が割れていれば堂々と水着になれますし、水泳を一段と極めるためにもいいんじゃないかと思っています。
(まとめ:荻島央江=フリーライター/インタビュー写真:鈴木愛子)
堀 義人(ほり よしと)さん
グロービス経営大学院学長、グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナー

1962年、茨城県出身。京都大学工学部卒業後、住友商事に入社。91年、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。92年、グロービスを設立し、代表取締役に就任。99年、ベンチャーキャピタル事業を手掛けるエイパックス・グロービス・パートナーズ(現グロービス・キャピタル・パートナーズ)設立。2006年、グロービス経営大学院を開学。学長に就任。
この記事は日経Gooday 2015年10月6日に掲載されたものであり、内容は掲載時点の情報です。
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