ビジネスパーソンが仕事を続けるには、「病気の予防」や「能力を高める」ほかに、「メンタルヘルスを強化する」ことも必要不可欠な要素だ。帝京平成大学現代ライフ学部教授・ライフバランスマネジメント研究所代表の渡部 卓さんが、ビジネスパーソンが陥りがちなメンタル不調の切り抜け方を指南していく。(日経グッデイの連載コラム「働く人のココロを鍛える コンディショニング術」から転載)
本配属になった新卒の部下が、うつ病を発症し、休職になった。真面目で周囲への気遣いもできる優秀な部下で、新しい仕事を任せた矢先だっただけに残念でならない。自分や周囲の期待が、プレッシャーになったのだろうか。
部下や自分の性格はどのタイプ?
部下をマネジメントするうえでは、性格の傾向を把握しておくことも大切です。その中でも、特に知っておきたいのが、部下がどんなことにストレスを感じやすいか、どんなことで心が折れやすいか、ということです。私はこれまでの企業研修やカウセンリング、コーチングなどの経験から、そうした心が折れやすい性格や気質の傾向を、3つのタイプに分けて考えてきました。それぞれの主な特徴は次の通りです。
心が折れやすい3つの性格のタイプ
[長所]
- 協調性が高く、周囲への気遣いもできる
- 真面目でルールやマニュアルを遵守する
- 安定した環境があれば、チームの中で力を発揮できる
- 頑固な一面があり、気晴らしが不得意
- 変化、失敗、挫折に弱く、臨機応変な対応が苦手
- 自分を抑えてしまうため、不安やストレスをためこみがち
[長所]
- 粘り強く、責任感が強い
- 熱血漢で、頼りがいがある
- 高い目標に向かって努力できる
- あいまいさを嫌い、結果に執着しすぎる
- 結論を急ぐ、せっかちになりやすい
- 自分を追い込み、「燃え尽きる」ことがある
- 自身の心身の不調や過労を認めようとしない
[長所]
- マニュアルや指示には説明がともなえば従う
- 自尊心が満たされると、意欲をみせる
- 「自分らしさ」「自分磨き」を大切にする
- 失敗や目標未達では自責より他責の傾向がみられる
- 自己評価が高くなりがち
- 依存心が強く、切磋琢磨を避けたがる理想と現実のギャップから心が折れやすい
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