8割の人は1週間で自己覚醒法を習得

 では、自己覚醒は誰にでもできるようになるのだろうか。目覚まし時計派にはちょっとハードルが高いような気もするが…。

 「自己覚醒の習慣がない大学生11人に自宅で1週間、訓練をしてもらったことがあります。目標の時刻の前後30分以内に起きられたら、成功とみなしました。すると1日目から自己覚醒ができた人は64%でしたが、7日目には82%に増えていました。また、目標起床時刻と実際の起床時刻の差も、1日目は16.9分でしたが、7日目には13.1分になり、精度が上がっていました。どうしてもできなかった人がいるのは事実ですが、8割方の人は1週間程度でできるようになるようです」(池田研究員)

 やり方は簡単だ。夜寝るときに、「明日は何時に起きよう」と思うだけでいい。「絶対に起きるぞ」とか「起きられなかったらどうしよう…」などと思うと、逆にストレスになるので、あまり深刻に考えないのがコツだ。また「もしも」に備え、慣れるまでは目覚まし時計を“保険”で使えば、安心だ。起きようと思う時刻より少し遅い時刻にセットしておき、鳴る前に目が覚めたら、成功とみなす。

 「うまくいったら、『よくできた』『これで今日は頭もスッキリで仕事がはかどる』などと、自分を褒めてあげてください。そのような“報酬”でモチベーションを上げると、自己覚醒がうまくできるようになるという報告もあるのです。また、規則的な毎日を送ることも、自己覚醒を習慣化させる近道です」と池田研究員はアドバイスしてくれた。

 快適に目覚めるための超スキル、自己覚醒法。早速、今晩からトライしてみてはどうだろうか。

池田大樹(いけだ ひろき)さん
日本学術振興会特別研究員、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所外来研究員
池田大樹(いけだ ひろき)さん 広島大学大学院総合科学研究科総合科学専攻博士課程後期修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員、労働安全衛生総合研究所研修生などを経て、現職。自己覚醒に関する研究、睡眠と情動記憶に関する研究などに従事。2015年10月から労働安全衛生総合研究所 過労死等調査研究センター研究員。

この記事は日経Gooday 2015年9月30日に掲載されたものであり、内容は掲載時点の情報です。

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