声を出す学習や練習が上達の秘けつ

 昼寝で頭をリフレッシュしたら、再び仕事がサクサクはかどる午後のゴールデンタイムとなる。冴えた頭で手強い案件にもバリバリ取り組もう。そして、仕事が終わったら飲み会へ…と行きたいところだが、栗山室長によると「実は、ここからがビジネスパーソンにとって貴重な自分磨きのゴールデンタイム」なのだそうだ。

 「1日の中で一番眠気が少なく、脳が活性化されるのは夕方から夜にかけてで、特に就寝の1~2時間前は(晩酌を控えれば)最も脳の高次処理に適した時間帯。生体リズムから言うと、本当はこの時間こそが仕事や学習に向いています。もちろん、その後にしっかり眠ることで、覚えたことも記憶として定着しやすくなります」(栗山室長)。

 という訳で、仕事が終わった後はステップアップのために語学学校に通ったり、資格取得のための勉強に充てたりするのが理想的。また、ゴルフやテニスなどの教室に行ったり、自主練習をしたりするのもいいという。

 「夜間、打ちっぱなしのゴルフ練習場にはビジネスパーソンらしき男性がたくさんいます。練習した後にぐっすり眠れば、練習効果も一層上がりますから、上達への近道になります。ただし、あまり入れ込みすぎると興奮し過ぎてスムーズな入眠を妨げたり、睡眠時間を削ったりすることにもつながる。これでは睡眠を有効利用できなくなります。寝る直前の活動は適度な程度にとどめておくこともポイントです」(栗山室長)

 なお、ゴルフの初心者はクラブを振る際、「チャー・シュー・メン!」などと、声を出しながらスイングするよう指導されることがある。スイングのタイミングを計る助けにするためだ。それにしても、どうしてチャーシューメンなんだろう、とけげんに思ってしまうが、これも理にかなった練習法なのだという。

 「実は最近の研究で、このような言葉で表現できる“手がかり”を動作にリンクさせることが、睡眠中の記憶強化を増幅させることがわかってきました。つまり、動作や技能などの体を使った記憶は、言葉の手がかりや動作知識と一緒に覚え、そしてぐっすり眠る。これでグンと身に付きやすくなるわけです」と栗山室長。「チャー・シュー・メン!」と睡眠。意外なところにゴルフ上達法の秘訣が隠されていた。

 仕事でもプライベートでも、睡眠の力をうまく活用すると、確実に効率よくパフォーマンス向上が望める。これを利用しない手はない。モデルケースとして効率的な1日の過ごし方を表にまとめた。自分流にアレンジして、睡眠を味方につけよう。

睡眠・生体リズムを考慮した、効率的な1日の過ごし方
時間帯 お勧めの作業 頭(脳)の状態
起床(7時)から2時間後まで ・気軽なメールの送信
・朝刊を読む
・文字入力などの単純作業
まだ眠気を引きずり、ボーっとしている
起床2時間後(9時)から正午まで ・難しい仕事(商談、プレゼン、資料作成など)
・厄介な案件
脳の活動が上昇し始める
昼食後(午後1~3時) ・昼寝(15~30分)
・簡単な報告・指示
・下調べ
集中力が低下して仕事がはかどらず、ミスも多くなる
夕方から夜にかけて ・創造性が求められる作業(計画立案、研究開発、原稿執筆など)
・習い事(英会話、スポーツなど)
1日の中で一番眠気が少なく、脳活動がピークに達するため、頭が冴える
就寝(0時)の1~2時間前 ・暗記
・スポーツの反復練習
・楽器の練習
その後の睡眠によって身に付きやすい

この記事は日経Gooday 2014年11月17日に掲載されたものであり、内容は掲載時点の情報です。

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